転移を有する大腸癌患者において、ベバシズマブベースの導入療法を行った上で、維持療法としてVEGF阻害剤のベバシズマブとEGFR阻害剤のエルロチニブを併用すると、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが、フェーズ3試験のGERCOR DREAM試験から明らかになった。この成果は、6月1日から5日にシカゴで開催された第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、フランスHopital Saint-AntoineのChristophe Tournigand氏らが発表した。

 対象は、18〜80歳の転移を有する切除不能な大腸癌で、WHO PSが0-2、転移が診断される前に6カ月超の補助化学療法を行った患者で、2007年1月から2011年10月にかけてフランス、カナダ、オーストリアの3カ国で700人を登録した。その後、mFOLFOX7療法、XELOX2療法、FOLFIRI療法にベバシズマブを併用する導入療法を行った。病勢進行(PD)や死亡、毒性などの理由により脱落し、446人が維持療法開始時の無作為化割付の対象となった。

 維持療法として、ベバシズマブ7.5mg/kgを3週ごとに投与する群(単剤群、224人)と、ベバシズマブ7.5mg/kgの3週ごと投与とエルロチニブ150mg/日の連日投与を併用する群(併用群、222人)に無作為に割り付けた。いずれの群においてもPDまで治療を継続した。

 患者背景については、70歳未満が単剤群73%、併用群74%、男性比率がそれぞれ56%、66%だった。癌の部位(結腸/直腸/両方)は単剤群が73%/25%/2%、併用群が74%/23%/3%、PS(0/1/2)はそれぞれ60%/37%/4%、60%/36%/4%、前治療のレジメン(FOLFOX+ベバシズマブ/XELOX+ベバシズマブ/FOLFIRI+ベバシズマブ)はそれぞれ59%/30%/10%、59%/30%/10%だった。

 フォローアップ期間の中央値は31.0カ月。主要評価項目である維持療法における(無作為化からの)PFS中央値は、単剤群が4.57カ月(95%信頼区間:4.11-5.52)、併用群が5.75カ月(同:4.50-6.20)で、ハザード比が0.73(同:0.59-0.91)と、併用による有意な延長が認められた(p=0.0050)。イベント発症率は単剤群79%に対し併用群68%、一方、中止率は21%に対し32%だった。

 また、導入療法開始(患者登録)時点からのPFS中央値は、単剤群が9.23カ月(95%信頼区間:8.54-10.05)に対し、併用群が10.22カ月(同:9.63-11.10)と、併用群において有意に延長していた(ハザード比:0.73、95%信頼区間:0.59-0.91、p=0.0045)。

 登録患者700人の全生存期間(OS)の中央値は25.4カ月(95%信頼区間:22.96-28.19)だった。患者1人当たりの実施した治療サイクル数は、単剤群が7.1サイクル、併用群がベバシズマブ8.1サイクル、エルロチニブ7.2サイクルだった。

 グレード3/4の毒性としては、単剤群、併用群ともに高血圧が最も多かった(それぞれ2.7%、2.8%)。下痢(グレード1/2/3/4)に関しては、単剤群が11%/1%/1%/0%、併用群が29%/20%/9%/0%と、併用群の方が多かった。皮膚症状(グレード1/2/3/4)については、単剤群では8%/0%/0%/0%とグレード1のみだったが、併用群では28%/37%/19%/1%と単剤群より高率に発生していた。ベバシズマブとエルロチニブを併用すると、下痢と皮膚症状は大幅に増加したが、忍容されるとした。