上皮成長因子受容体(EGFR/HER1)とHER2などを不可逆的に阻害する経口薬afatinib(BIBW2992)が、EGFRに変異を持つ進行肺腺癌に対して、標準的な化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に延長できることが明らかとなった。特にEGFR変異の約90%を占めるエクソン19の欠失変異、L858R変異のどちらかを有する患者では、PFSが2倍と高い効果を示した。無作為化オープンラベルフェーズ3試験であるLUX-lung3試験で明らかとなったもの。成果は6月1日から5日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、台湾National Taiwan University HospitalのJames Chin-Hsin Yang氏によって発表された。

 LUX-lung3試験はEGFR活性型変異を有する進行肺腺癌患者345人を、ファーストラインとしてafatinibを投与する群(afatinib群、230人)と、ペメトレキセドとシスプラチンを投与する群(PC群、115人)に無作為に割り付けた。afatinib群には毎日40咾afatinibが投与され、PC群には21日おきにペメトレキセド500mg/m2とシスプラチン75mg/m2が投与された。主要評価項目は中央独立審査によるPFSだった。

 患者背景は両群間でバランスが取れていた。年齢中央値は61歳、女性が65%、アジア人が72%、無喫煙歴が68%、エクソン19の欠失変異が49%、L858R変異が40%、他の変異が11%だった。

 投与の結果、afatinib群のPFS中央値は11.1カ月、PC群は6.9カ月で、ハザード比0.58(95%信頼区間:0.43-0.78)、p=0.0004で有意にafatinib群の方が延長していた。さらにエクソン19の欠失変異、L858R変異の患者308人に限ると、afatinib群のPFS中央値は13.6カ月、PC群は6.9カ月で、ハザード比0.47(95%信頼区間:0.34-0.65)、p<0.0001でPFSの延長効果はより高かった。奏効率もafatinib群が56%、PC群が23%で、有意にafatinib群の方が高かった(p<0.0001)。癌関連症状悪化までの時間も、咳(ハザード比0.60、p=0.0072)、呼吸困難(ハザード比、0.68、p=0.0145)と、afatinib群で有意に遅らせることができた。

 多く見られた副作用はafatinib群で下痢(95%)、皮疹(62%)、爪周囲炎(57%)、PC群で吐き気(66%)、食欲減退(53%)、嘔吐(42%)だった。副作用により投薬中止となったのはafatinib群は8%(1%が下痢)で、PC群は12%だった。