多くの転移性腎細胞癌患者は、腎摘除術(cytoreductive nephrectomy)後に4週間にわたってチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)スニチニブの投薬を中止している間に悪化することが分かった。ただし、この病勢進行(PD)がTKIの中断や腎摘除術など、どの因子と関連しているかは明確にならなかった。オランダNetherlands Cancer InstituteのAlex Bex氏らが、6月1日から5日までシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表した。

 TKI投与の中断がPDや転移のきっかけになっているのではないかと懸念されている。しかし、術後にTKIを中断している間におけるPDの発生頻度やその予後については、ほとんどわかっていない。そこで、初発転移性淡明型腎細胞癌患者で術前にスニチニブを2〜3カ月間投与した2つのフェーズ2試験の患者66人のうち、45人で後ろ向きに解析を行った。MSKCCリスク分類は、intermediateが35人、poorが10人だった。

 全生存期間(OS)の中央値は22カ月(13.0-31.5)。PDか否かで分けて見ると、病勢が進行しなかった患者は25カ月(15-NA)、進行した患者は13カ月(6-27)だった。

 次に、治療中断中のPDに関連した死亡のハザード比を求めると1.90(95%信頼区間:0.89-4.08)だった。

 スニチニブの投薬中断中に病勢が進行した14人のうち、5人で新規の病変部位が見つかった。一方、スニチニブの投薬を再開すると病状が安定もしくは良くなった患者が13人存在した。14人のPDのうちMSKCCリスク分類がpoorだった患者は4人(29%)、一方、病勢が進行しなかった31人のうち同じくpoorだった患者は6人(19%)で、差はなかった(Fisherの正確検定p=0.7)。

 これらからBex氏は、「腎摘除術後の4週間スニチニブを休薬しているときに相当な患者がPDに至った」と語った。さらに検討した患者数が少ないものの、治療中断によるPDは予後不良と関係する強い傾向が示唆されたとの考えを示した。