転移のあるホルモン感受性前立腺癌への間欠的アンドロゲン除去療法は、標準治療である持続的アンドロゲン除去療法に対して非劣性を示せなかったことが明らかとなった。6月1日からシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、米Michigan大のMaha Hussain氏が発表した。

 転移のあるホルモン感受性前立腺癌に対する標準治療は持続的アンドロゲン除去療法(CAD)とされているが、いずれ去勢抵抗性となる割合が高いことが知られている。一方、基礎的な検討の結果から、間欠的アンドロゲン除去療法(IAD)は同等の効果が得られ、QOLも改善すると期待されている。

 今回、Hussain氏らは、IADのCADに対する生存に関しての非劣性を証明するため、INT-0162試験を実施、その結果を発表した。

 対象は新規に診断された転移のある前立腺癌で、アンドロゲン除去療法開始前のPSA値は5ng/mL以上とした。

 導入アンドロゲン除去療法として、ゴセレリン+ビカルタミドを7カ月投与し、6カ月あるいは7カ月目でPSAが4ng/mL以下となったケースをランダム化し、CAD群とIAD群に割り付けた。

 IAD療法は、PSAが20ng/mLに達した場合、あるいは登録時のPSAが20ng/mL未満だった場合には登録時のPSA値にまで戻った場合にアンドロゲン除去療法を行う方法とした。7カ月以降にPSAが正常化したら観察期間にするとした。

 試験には3040例が登録され、うち1535例がランダム化され、IAD群770例、CAD群765例となった。

 患者背景は、年齢70歳、ランダム化時のPSA値が0.2ng/mL以下だったのは2群とも約35%、事前にいずれのホルモン療法も受けていなかったのは87%で、骨痛が見られたのは約3割、Gleasonスコアは2群とも6以下が約25%、7が約50%、8-10が27%だった。

 追跡の結果、全生存率については、CAD群の生存期間中央値が5.8年だったのに対し、IAD群は5.1年で、ハザード比は1.09、95%信頼区間は0.95-1.24となり、事前に設定した非劣性マージンの範囲を超え、非劣性が示されなかった。

 なお、病勢別に解析した結果、2群ともに47〜49%を占めたExtensive型だけで比較した場合、CAD群の生存期間中央値は4.4年だったのに対し、IAD群は5.0年で、ハザード比0.96、95%信頼区間は0.80-1.16で、事前に設定した非劣性マージンの範囲内で、非劣性となった。

 一方、Minimal型だけで比較した場合、CAD群の生存期間中央値は7.1年、IAD群は5.2年で、ハザード比1.23、95%信頼区間は1.02-1.49で非劣性が証明されなかったとともに、CAD群が有意に優れていた。