KRAS野生型の化学療法抵抗性切除不能・進行大腸癌に対するセツキシマブbrivanibの併用療法は、セツキシマブ単独投与と比較して全生存期間(OS)を延長しないことが示された。6月1日から米国Chicagoで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、カナダPrincess Margaret HospitalのLillian Sui氏が発表した。

 同グループは、KRAS野生型の切除不能・進行大腸癌のうち、FOLFOXやFOLFIRI治療を受け抵抗性となった患者を対象に、brivanib+セツキシマブ群とセツキシマブ単独群を比較検討するNCIC CTG CO.20試験を実施した。brivanibは血管内皮成長因子(VEGF)や線維芽細胞成長因子(FGF)の受容体を阻害するマルチキナーゼ阻害薬。

 主要評価項目は全生存期間(OS)で、プロトコールに規定していた19カ月間のフォローアップで、OS中央値はbrivanib+セツキシマブ群(n=376)が8.8カ月、プラセボ+セツキシマブ群(n=374)では8.1カ月と、2群間に有意差はないことが明らかとなっている。

 今回、34カ月間とさらに長期の追跡結果を報告した。

 患者背景は、年齢約64歳、65歳以上の割合は約45%、診断からランダム化までの期間中央値はいずれの群も31カ月で、前治療として4コース以上受けていたのが91%、前治療として抗VEGF(R)治療を受けていたのはともに60%だった。

 長期追跡の結果、プラセボ+セツキシマブ群のOS中央値が8.2カ月だったのに対し、brivanib+セツキシマブ群は8.9カ月で、ハザード比0.89(95%信頼区間:0.77-1.03、p=0.13)と有意差は見られなかった。

 サブグループ別に解析を行った結果、前治療として抗VEGF(R)治療を受けていたグループにおいて、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.62-0.99)とbrivanib併用群が良好だったが、年齢、性、PS、LDHなどのサブグループでは有意ではなかった。

 無増悪生存期間(PFS)については、当初予定のフォローアップ期間では、プラセボ+セツキシマブ群のPFS中央値が3.4カ月だったのに対し、brivanib+セツキシマブ群のPFS中央値は5.0カ月で、ハザード比0.72(95%信頼区間:0.62-0.84、p<0.0001)と有意にbrivanib併用群が延長していた。

 今回長期追跡した結果、プラセボ+セツキシマブ群のPFS中央値が3.4カ月だったのに対し、brivanib+セツキシマブ群は4.8カ月で、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.64-0.86、p<0.0001)と有意差は維持されていた。

 治療効果については、プラセボ+セツキシマブ群では部分奏効(PR)が7%、病勢安定(SD)が44%だったのに対し、brivanib+セツキシマブ群ではPRが14%、SDが51%だった。奏効期間中央値は、プラセボ+セツキシマブ群が5.4カ月、brivanib+セツキシマブ群が5.8カ月で、2群間に有意な差はなかった。

 グレード3以上の有害事象は、特に倦怠感や高血圧、皮膚症状などがbrivanib+セツキシマブ群で多く、血液学的毒性もbrivanib+セツキシマブ群で多かった。

 健康関連QOLが悪くなるまでの期間についても、brivanib+セツキシマブ併用群はプラセボ+セツキシマブ群と比較して有意に短かった。