ファーストライン治療後に進行した高齢の多発性骨髄腫(MM)患者において、BVD療法(ベンダムスチン、ボルテゾミブ、デキサメタゾン)4サイクル終了時の奏効率は57.5%で、早期脱落例を含めると67.1%となることがフェーズ2試験(IFM2009-01)から示された。同試験ではBVD療法を導入療法フェーズ(induction phase)、地固め療法フェーズ(consolidation phase)、維持療法フェーズ(maintenance phase)で行っており、今回の結果は導入療法フェーズの4サイクルに限定したもの。6月1日から5日にかけてシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、フランスCentre Hospitalier de BloisのPhilippe Rodon氏が発表した。

 Rodon氏らは、ファーストライン治療を施行後に再発または難治性となった高齢のMM患者を対象として、BVD療法を評価するフェーズ2試験を実施した。ボルテゾミブまたはベンダムスチンの投与歴がある患者は対象から除外した。

 BVD療法は28日を1サイクルとして、ベンダムスチン70mg/m2を1日目と8日目、ボルテゾミブ1.3mg/m2とデキサメタゾン20mgをそれぞれ1、8、15、22日目に投与した。まず導入療法フェーズで4サイクル投与し、部分寛解(PR)以上の効果が得られた患者にさらに地固め療法フェーズで2サイクル追加し、奏効が得られた患者には維持療法フェーズで2カ月毎に6サイクル投与した。

 主要評価項目は4サイクル終了時の奏効率で、有効性の評価はInternational Myeloma Working Group(IMWG)基準に従って行った。

 2010年3月から2011年7月までに83人が登録され、解析対象は73人(年齢中央値75.8歳)となった。80歳以上の患者が19人(26%)含まれた。ECOG PS 2の患者は22人(30.1%)、クレアチニン値が150mcmol/L以上の患者は11人(15.3%)、β2ミクログロブリン(β2MG)値が3.5mg/Lを超えている患者は49人(67.1%)、t(4;14)転座を有する患者は9人(15.5%)、del17pを有する患者は5人(8.6%)だった。

 診断から試験組み入れまでの期間の中央値は29カ月だった。全例が1つの前治療を受けており、内訳はMP療法(メルファラン、プレドニゾン)12人、MP療法+サリドマイド44人、LD療法(レナリドミド、デキサメタゾン)14人、その他3人だった。

 導入療法フェーズの4サイクル終了時に奏効が得られたのは42人(57.5%)で、完全寛解(CR)が8人(10.9%)、非常に良い部分寛解(VGPR)が9人(12.3%)、部分寛解(PR)が25人(34.2%)だった。早期脱落の10人(13.6%)中、PRは6人、VGPRは1人で、この7人を合わせた奏効率は67.1%(49/73)となった。

 また奏効率は、β2MGの値が3.5mg/Lを超えている患者では49%、免疫調節剤(IMiD)をファーストライン治療で使用した患者では52.5%、del17Pを有する患者では20%だった。β2MG高値は有意な予後因子となったが(p=0.038)、t(4;14)やクレアチニン高値などは有意な予後因子にはならなかった。
 
 4カ月の時点で11人(15%)が死亡し、死因は疾患進行(MM)が6人(8.2%)、敗血症が4人(5.4%)、腎不全が1人(1.3%)だった。4カ月時の無増悪生存率(PFS)は77.2%、全生存率(OS)は85%となった。

 有害事象では、グレード3以上の好中球減少が21.9%、血小板減少が9.5%、敗血症が16.4%、胃腸穿孔が10.9%、アナフィラキシーが1.3%に発現した。深部静脈血栓症は2.7%に発現した。末梢神経障害は9人(12.3%)に発現したが、全例グレード2で、投与前から既往として認められた患者5人が含まれた。治療を中止したのは20人(27.3%)だった。

 Rondon氏は「高齢者におけるBVD療法による有望な結果が示された。長期的に追跡し、奏効の持続と生存を評価する必要がある」とコメントした。