標準的治療の後に進行した転移性大腸癌に対し、経口マルチキナーゼ阻害剤regorafenib (BAY 73-4506)はプラセボに比べ全生存期間(OS)、無増悪生存期間、病勢制御率を有意に改善したことが、日本を含む16カ国で実施された多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験CORRECTの、最新の解析結果で明らかになった。成果は6月1日から5日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、ベルギーUniversity Hospital LeuvenのEric Van Cutsem氏によって発表された。

 regorafenibは、血管新生に関与するVEGFR1-3やTIE-2、またPDGFR-βやFGFR、KITやRETなどの受容体チロシンキナーゼを阻害する。

 CORRECT試験では、標準的治療後に進行した転移性大腸癌患者において、regorafenibの有効性と安全性を評価するため、regorafenib+支持療法(BSC)とプラセボ+BSCが比較された。標準的治療にはフルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカン、ベバシズマブ、またKRAS野生型ではセツキシマブやパニツムマブが含まれる。

 標準的治療中もしくは治療終了から3カ月以内に進行した患者を、regorafenib群もしくはプラセボ群に2:1に割り付けた。regorafenib(160mg/日)もしくはプラセボが3週投与1週休薬のスケジュールで投与され、病勢進行、死亡もしくは認容できない毒性の発生まで継続された。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無増悪生存(PFS)、奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、三次評価項目は奏効期間、 QOL、薬物動態、バイオマーカーと設定された。

 転移性大腸癌患者760人が登録した。全患者のうちアジア人(日本、中国)はregorafenib群で15.0%、プラセボ群は13.7%だった。居住地域がアジアなのは両群とも13.7%だった。KRAS変異型はregorafenib群で54.1%、プラセボ群は61.6%だった。

 この結果、OSにおけるハザード比は0.77(95%信頼区間:0.64-0.94、片側検定p=0.0052)。OS中央値はregorafenib群が6.4カ月(同:5.9-7.3)、プラセボ群が5.0カ月(同:4.4-5.8)だった。

 PFSのハザード比は0.49(95%信頼区間:0.42-0.58、片側検定p<0.000001)。PFS中央値はregorafenib 群が1.9カ月(同:1.9-2.1)、プラセボ群が1.7カ月(同:1.7-1.7)。奏効率はそれぞれ1.0%、0.4%で、病勢制御率は41.0%、14.9%(p<0.000001)だった。

 OSのサブグループ解析ではほとんどのグループでregorafenib群が有用性を示したが、アジア居住者などハザード比の95%信頼区間が1をまたいでいるものもあった。KRAS変異はない方がよりregorafenib群の有用性が示された。PFSもほとんどのグループでregorafenib群が有用性を示した。