閉経後早期乳癌のアジュバントとしてアロマターゼ阻害剤(AI)の投薬を受けた患者において、骨粗鬆症を自覚して報告した患者は乳癌の再発率が低いことが分かった。また、実際の骨粗鬆症の有無に関わらず、骨粗鬆症の治療を受けた患者では無イベント生存期間(EFS)、無遠隔再発生存期間(DDFS)の有意な改善が認められた。骨粗鬆症、骨減少症を認識して、治療を受けることが早期乳癌のアジュバントとしてAI投与の結果を改善させる可能性があるという。

 ステロイド型の不可逆性アロマターゼ阻害剤(AI)であるエキセメスタンと非ステロイド型の可逆性AIであるアナストロゾールを、閉経後早期乳癌のアジュバントとして5年間投与した場合の再発抑制効果は両剤とも高く、同等であることが示されたオープンラベル無作為化フェーズ3試験 NCIC CTG MA.27試験の、サブグループ解析の結果示されたもの。6月1日から5日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、NCIC Clinical rials GroupのLois E.Shepherd氏によって発表された。

 NCIC CTG MA.27試験は、閉経後ホルモン受容体陽性早期乳癌患者を対象に、1日あたり1mgのアナストロゾールを5年間投与した群と1日あたり25mgのエキセメスタンを投与した群を比較したもの。2003年5月から2008年7月までに7576人(エキセメスタン群3789人、アナストロゾール群3787人)が登録された。主要評価項目はEFS。副次評価項目は全生存(OS)、DDFS、遠隔再発までの時間、対側乳癌の発生率、副作用などだった。

 患者には骨粗鬆症とその治療(ビスホスホネートまたはラロキシフェン)についての質問を行い、解析に利用した。骨粗鬆症とその治療については、ベースライン時、新たに診断された時、AI剤導入の6カ月目、12カ月目、その後は1年ごとに報告された。再発より30日以上前までに起きた骨粗鬆症と治療を対象とした。

 試験の解析の結果、7576人中1294人(17%)が骨粗鬆症と判定され、2711人(36%)が骨粗鬆症の治療を受けていた。2711人のうち116人は試験の前からラロキシフェンを服用しており、39人が無作為化後にラロキシフェンの投与が開始された。

 EFSイベントは骨粗鬆症の治療を受けた患者で有意に少なかった。ハザード比は0.70、p<0.0001だった。骨粗鬆症の治療を受けた患者2711人のうち、骨粗鬆症だったのは1101人、骨粗鬆症でなかった患者は1610人だった。骨粗鬆症の治療を受けなかった4865人のうち、骨粗鬆症だったのは193人、骨粗鬆症でなかった患者は4672人だった。解析の結果、骨粗鬆症であってもなくても骨粗鬆症の治療を受けた患者で有意にEFSがよかった(p=0.0003)。DDFSでも同様な結果が得られた。

 また、骨粗鬆症の治療を受けていない患者では骨粗鬆症はハザード比0.81、p=0.04でEFSの有意に悪い因子で、DDFSについても同様な結果が得られた。