転移性大腸癌に対するファーストライン治療でベバシズマブを含むレジメンを用いた後に進行した場合、セカンドライン治療で別の抗癌剤とベバシズマブを含むレジメンを使用すると、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を有意に延長できることが明らかとなった。抗癌剤をクロスオーバーするフェーズ3臨床試験TML(ML18147)で示されたもの。いわゆるベバシズマブBeyond PD(ベバシズマブ投与後の再発例におけるベバシズマブ継続投与の効果)を示した初めての無作為化試験となった。

 ただし、過去に報告された観察研究で得られたほどの延長効果ではなかった。成果は6月1日から5日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、ドイツUniversity Cancer Center HamburgのDirk Arnold氏によって発表された。

 ML18147試験は切除不能、組織学的に確認された転移性大腸癌患者で、ファーストラインとして、ベバシズマブと標準的な化学療法(オキサリプラチンベースかイリノテカンベース)を受け進行した患者を、セカンドラインとしてファーストラインで使用した2つの化学療法のうち、使わなかった化学療法とベバシズマブを投与する群(ベバシズマブ群)と化学療法とプラセボを投与する群(プラセボ群)に分けて行われた。主要評価項目はOS、副次評価項目はPFS、奏効率、安全性などだった。

 2006年2月から2010年6月までに820人(ベバシズマブ群409人、プラセボ群411人)が登録された。患者背景は両群間で良くバランスが取れていた。

 試験の結果、ベバシズマブ群のOS中央値は11.2カ月、プラセボ群のOSは9.8カ月で、ハザード比が0.81(95%信頼区間:0.69-0.94)、p=0.0062で有意にベバシズマブ群で延長が認められ、主要エンドポイントは達成された。1ライン以上の次のラインの治療を受けた患者はプラセボ群が67.7%(ベバシズマブ12.2%、抗EGFR抗体41.3%、その他50.4%)、ベバシズマブ群が68.6%(ベバシズマブ11.5%、抗EGFR抗体39.2%、その他54.9%)だった。サブグループ解析では、女性(294人)ではハザード比0.99(95%信頼区間:0.77-1.28)とあまり恩恵を受けていなかった。

 PFS中央値は、ベバシズマブ群が5.7カ月、プラセボ群が4.1カ月で、ハザード比が0.68(95%信頼区間:0.59-0.78)、p<0.0001で有意にベバシズマブ群で延長が認められた。

 奏効率はベバシズマブ群5.4%、プラセボ群3.9%で、p=0.3113で有意差はなかった。疾病制御率はベバシズマブ群が68%、プラセボ群が54%で有意な差があった(p<0.0001)。

 副作用はベバシズマブをPD後に継続することで増加することはなく、プロファイルは過去に報告されたものと同様だった。