効果的な治療選択肢が少なく予後不良な再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫(PTCL)などに対し、ベンダムスチンは単剤で50%と高い奏効率を示し、毒性も管理可能であることが、フェーズ2試験(BENTLY試験)で明らかになった。6月1日から5日にかけてシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、フランスCentre Hospitalier Universitaire AmiensのGandhi Laurent Damaj氏が発表した。

 T細胞リンパ腫は有効な治療選択肢がほとんどなく、予後不良の疾患である。Damaj氏らは、プロスペクティブ、非盲検のフェーズ2試験において、再発・難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)などの治療としてベンダムスチン単剤の有効性と安全性を評価した。

 対象は、2009年9月から2011年4月までに登録された再発または難治性のPTCLなどで、前治療の化学療法が少なくとも1レジメン以上行われた患者。

 ベンダムスチンは1日目と2日目に120mg/m2の静脈内投与を3週毎に最大6サイクルまで行った。投与は進行(PD)、受容不能な毒性の発現、患者の拒否のいずれかまで継続した。主要評価項目は奏効率、副次評価項目は奏効持続期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)等で、奏効は非ホジキンリンパ腫のInternational Working Group response criteria(IWC、1999年)で評価した。3サイクル投与で安定状態(SD)以上の効果が得られた患者にはさらに3サイクル追加し、治療終了後1カ月時に最終評価を行った。

 計60人(男性38人、女性22人、年齢中央値66歳)が登録され、75歳を超える患者は14人(23%)だった。血管免疫芽球型リンパ腫(AILT)は32人(53%)、PTCL-非特定型は23人(38%)だった。国際予後指標(IPI)で3点以上の患者は37人(64%)だった。前治療の化学療法がセカンドラインだった患者は16人(27%)、サードラインだった患者は12人(20%)で、ベンダムスチン投与の前治療に難治性だった患者は27人(45%)であり、前治療の最良効果持続期間中央値は6.6カ月だった。

 対象中20人(33%)でベンダムスチンの投与が3サイクル未満となり、主な中止理由は疾患進行(53%)だった。6サイクルの投与を終了したのは15人となった。

 3サイクル終了後の奏効率(完全奏効(CR)、未確定CR(CRu)、部分奏効(PR))は50%となった。CR+CRuは28%、PRは22%だった。DoRは3.5カ月だったが、奏効した患者の30%では6カ月以上、4人では1年以上奏効が持続した。PFS中央値は4カ月だった。

 単変量解析では、ECOG PS、IPI、年齢調整国際予後指標(aaIPI)が奏効率に有意に影響する因子として抽出されたが、多変量解析ではaaIPIが高い場合のみが、奏効率に負の影響を与える因子として抽出された(ハザード比2.01、95%信頼区間:1.3-3.1、p=0.014)。

 主な血液毒性は、グレード3/4の好中球減少が34人(56%)、血小板減少は23人(38%)であった。主な非血液毒性として感染症、皮疹、の頻度が比較的多く観察されたが、いずれも可逆性だった。感染症による二次的な死亡は3人に発生した。

 Damaj氏は今回の結果から、「移植への橋渡し治療(Bridge to transplant)になりうる。他剤との併用も検討したい」と話した。