プラチナ系抗癌剤抵抗性の卵巣癌患者において、標準化学療法とベバシズマブの併用により、無増悪生存期間(PFS)が化学療法単独と比べて2倍に延長することが、国際的な多施設共同のフェーズ3試験(AURELIA)の結果から明らかになった。6月1日から5日にかけてシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、フランスUniversite Paris DescartesのEric Pujade-Lauraine氏が、Group d’Investigateurs Nationaux pour l’Etude des Cancers Ovariens(GINECO)を代表して発表した。

 プラチナ系抗癌剤抵抗性は初回再発時に患者の25%にみられ、最終的にはほぼ全例が抵抗性となる。

 AURELIA試験は、プラチナ系抗癌剤抵抗性の卵巣癌患者を対象として、化学療法とベバシズマブの併用を検討する初のランダム化試験。対象は、プラチナ系抗癌剤を含む治療を4サイクル以上(レジメン数は2以下)受けた後、6カ月以内に進行した卵巣癌患者。腸閉塞や腹腔瘻孔の既往などがある患者は除外した。
 
 化学療法は次の3剤から試験担当医師が選択した。1)pegylated liposomal doxorubicin(PLD)40mg/m2を4週毎に1日目に投与、2)トポテカン4mg/m2を4週毎に1、8、15日目、または1.25mg/m2を3週毎に1−5日目まで投与、3)パクリタキセル80mg/m2を4週毎に1、8、15、22日目に投与。

 患者を化学療法群または化学療法とベバシズマブ(15mg/kgを3週毎に投与)を併用する群(以下、併用群)に割り付け、進行(PD)、受容不能な毒性の発現、同意の撤回まで投与を継続した。化学療法群の患者がPDとなった場合、ベバシズマブ単剤へのクロスオーバーを可とした。主要評価項目はPFSだった。
 
 2009年10月から2011年4月までに361人が登録された。PLDは126人、トポテカンは120人、パクリタキセルは115人に選択された。化学療法群は182人(年齢中央値61歳)、併用群は179人(同62歳)となった。両群の患者背景はほぼ同様で、組織学的グレードが2/3の患者の割合は、それぞれ84%と82%だった。
 
 PFS中央値は、化学療法群3.4カ月、併用群6.7カ月、ハザード比は0.48(95%信頼区間:0.38-0.60)となり、併用群で有意に改善した(p<0.001)。PFSのサブグループ解析では、年齢、無病期間(PFI)、腫瘍径、腹水の有無、化学療法で使用した薬剤に関わらず、併用群で良好だった。

 RECIST v 1.0またはGynecologic Cancer Intergroup(GCIG)CA-125、またはその両方で判定した奏効率は、化学療法群12.6%、併用群30.9%で、有意差がみられた(p<0.001)。RECIST v1.0とGCIG CA-125のそれぞれで判定した奏効率も、有意差をもって併用群で良好だった(p=0.001、p<0.001)。

 有害事象は化学療法群と比べて併用群で多く発現した。グレード2以上の有害事象の発現率は、高血圧が6.6%と20.1%、蛋白尿が0.6%と10.6%、胃腸穿孔が0%と2.2%、瘻孔/膿瘍が0%と2.2%だった。出血や血栓塞栓症は両群で同程度だった。患者の2%以上に発現したグレード3以上の有害事象では、末梢神経障害、手足症候群は併用群で多く、疲労感、腹痛、嘔吐、食欲不振などは化学療法群で多く発現した。ベバシズマブの安全性プロファイルは過去の経験と一致していた。
 
 Lauraine氏は「組み入れ基準を厳密にすることで、ベバシズマブによる有害事象の発現が最小限となった。化学療法とベバシズマブの併用は、プラチナ系抗癌剤抵抗性の卵巣癌に対する新しい標準治療の選択肢と考えられる」と話した。
 
 本試験の全生存期間(OS)のデータは2013年に発表される予定。