転移性腎細胞癌に対するスニチニブ投与の客観的奏効率は38%で、奏効が得られるまでの期間は10.6週間であることが、これまでの臨床試験を統合した1059例の検討結果から明らかになった。6月1日から米国Chicagoで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのAM Molina氏が発表した。

 今回、Molina氏らは、転移性腎細胞癌に対するスニチニブの客観的奏効(OR)率を明らかにするとともに、ORが得られる患者の特徴とその予後を解明するため、1059例のデータを集めて後ろ向きに解析を行った。

 対象は、これまで実施されたスニチニブのフェーズ2試験、フェーズ3試験など6つを集めた1059例。このうち、50mgを4週投与2週休薬したのは689例(65%)、37.5mgを1日1回毎日投与したのは370例(35%)だった。また、1059例のうち、ファーストライン治療として投与したのは783例(74%)、セカンドライン治療として投与したのは276例(26%)だった。

 対象例をレスポンダー、ノンレスポンダー別に、そして12週までに効果が得られた早期レスポンダー、12週以降に効果が得られた後期レスポンダー別に解析を行った。

 1059例中、RECIST評価によるORが得られたのは398例(38%)で、そのうち12例に完全奏効(CR)が得られ、残りは部分奏効(PR)例だった。

 レスポンダーとノンレスポンダーの患者背景を比較した結果、年齢はいずれも約60歳で差はなかったが、ECOG PSが0だったのはノンレスポンダーが56%だったのに対し、レスポンダーは70%と有意にレスポンダーのPSは良好だった。MSKCCリスクスコアも、Favorableだったのがノンレスポンダーでは30%だったのに対し、レスポンダーは54%だった。診断時からの期間はノンレスポンダーが2.2年だったのに対し、レスポンダーは3.0年。転移部位は、肺がいずれのグループも8割弱、肝臓がいずれのグループも2割強と同じだったが、骨のみレスポンダーが24%、ノンレスポンダーが33%と有意にノンレスポンダーグループで多かった。

 ノンレスポンダーのPFS、OSがそれぞれ5.3カ月(中央値)、14.5カ月(中央値)だったのに対し、レスポンダーのPFS、OSはそれぞれ16.3カ月(中央値)、40.1カ月(中央値)と、有意にレスポンダーの予後は良好だった。未治療患者であっても、サイトカイン抵抗性患者であっても、PFS、OSはほぼ同じだった。

 腫瘍に対する奏効は、治療期間とは独立した、PFSやOSを予測する因子だった。なお、治療期間もPFSやOSを予測する独立した因子だった。

 次に、ORが得られた398例について、ORが得られるまでの期間別に検討を行った。

 ORが得られるまでの期間(TTR)の中央値は、全患者を対象とした場合は10.6週(範囲:2.7-94.4週)で、スニチニブをファーストライン治療として受けた患者とセカンドライン治療として受けた患者の間でTTRは同じだった。

 12週までにORが得られた早期レスポンダーは243例(61%)、12週以降にORが得られた後期レスポンダーは155例(39%)だった。

 この2グループ間で患者背景を比較した結果、後期レスポンダーの年齢が63歳だったのに対し、早期レスポンダーは59歳と有意に若く、ECOG PS、MSKCCリスクスコアには差はなかったが、診断時からの期間は、後期レスポンダーが3.9年だったのに対し、早期レスポンダーは2.4年と有意に短かった。

 転移部位は、肺、肝臓、骨について、早期レスポンダーがそれぞれ84%、23%、27%、後期レスポンダーではそれぞれ70%、23%、19%で、早期レスポンダーは後期レスポンダーに比べて肺が有意に多かった。

 奏効期間は早期レスポンダー、後期レスポンダーにおいてそれぞれ52週、55週で、2グループ間に有意差はなかった。

 PFSとOSについて検討した結果、早期レスポンダーはそれぞれ13.8カ月、37.8カ月、後期レスポンダーはそれぞれ20.2カ月、40.8カ月で、PFSについては後期レスポンダーが有意に延長していたが、OSについては2グループ間の差は有意ではなかった。
 
 これらの結果から、Molina氏は、「1059例の検討から、OR率は38%で、レスポンダーはノンレスポンダーに比べて有意にPFS、OSが延長していた。ORが得られるまでの期間は10.6週で、39%は12週以降にORが得られていた。早期レスポンダーの特徴は肺転移の頻度が高かった」とまとめた。