非ステロイド型アロマターゼ阻害剤(AI)に抵抗性となったエストロゲン受容体陽性、HER2陰性の局所進行性または転移を有する閉経後乳癌に、mTOR阻害剤のエベロリムスとステロイド型AIのエキセメスタンを併用投与すると、エキセメスタン単独投与に比べてアジア人でも有意に無増悪生存期間の延長が認められることが明らかとなった。大規模なフェーズ3試験であるBOLERO-2のアジア人データの解析により明らかとなったもの。成果は6月1日から5日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、大阪大学の野口眞三郎氏によって発表された。

 BOLERO-2試験は、エストロゲン受容体陽性、HER2陰性の局所進行性または転移を有する乳癌で、レトロゾールやアナストロゾールに抵抗性もしくは不応性の閉経後の患者を対象にした二重盲検無作為化フェーズ3試験。

 試験には、24カ国の189施設から日本人を含む724人の患者が登録された。患者は、エベロリムス10mg/日とエキセメスタン25mg/日を併用する群(併用群)と、プラセボとエキセメスタンを投与する群(プラセボ群)に2:1になるよう割り付けられ、それぞれ485人と239人だった。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、QOL、安全性だった。

 試験全体としては、359PFSイベントが起きた時点の中間解析で、PFS中央値は、有意に併用群で優れていた。ハザード比は0.36(95%信頼区間:0.36-0.53)、p<0.001だった。

 この試験に登録されたアジア人は143人で、うち日本人は106人(74%)だった。98人が併用群に、45人がプラセボ群に割り付けられた。患者背景は類似していたが、アジア人がやや若く、全身状態が良い患者が多い傾向があった。エベロリムスの用量減少や中断はアジア人で71%、非アジア人で66%だった。

 アジア人においては、併用群はプラセボ群に比べて、病状進行のリスクが44%減少していた。ハザード比0.56(95%信頼区間:0.37-0.87、p<0.05)。アジア人の併用群のPFS中央値は8.48カ月、プラセボ群のPFS中央値は4.14カ月だった。非アジア人の併用群のPFS中央値は7.33カ月、プラセボ群のPFS中央値は2.83カ月だった。全体としてPFSはアジア人で長い傾向があった。奏効率も併用群ではアジア人19%、非アジア人11%だった。

 併用群のアジア人で多く見られた副作用は、口内炎、皮疹、味覚障害、倦怠感、頭痛だった。アジア人が非アジア人よりも多かった副作用は口内炎と間質性肺疾患だったが、間質性肺疾患はグレード3以上のものでは差はなかった。アジア人で非アジア人より少なかったものは貧血だった。併用群でグレード3/4の副作用はアジア人が46%、非アジア人で55%とアジア人でやや少なかった。