持続性または再発性の上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌患者を対象とするフェーズ2試験(CP12-0711/NCT00721162)において、ramucirumab(IMC-1121B)単剤による治療の忍容性は妥当で、6カ月時の無増悪生存率(PFS)は34.2%となることが示された。6月1日から5日にかけてシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、米Massachusetts General HospitalのRichard T. Penson氏が発表した。

 血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)が介在するシグナル伝達は卵巣癌発生の一因である。完全ヒトIgG1モノクローナル抗体のramucirumabはVEGFR2に特異的に結合し、卵巣癌に対する有効性のエビデンスが報告されている。

 Penson氏らは、持続性または再発性の上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌の患者を対象として、ramucirumabの多施設共同、非盲検のフェーズ2試験を実施した。主要評価項目は6カ月時のPFSと奏効率だった。

 対象は、プラチナ系抗癌剤を含む化学療法を1レジメン以上受けた後、無病生存期間(PFI)が12カ月未満、進行(PD)、持続性疾患のいずれかの成人患者。前治療の化学療法のレジメン数は問わないこととした。

 28日を1サイクルとして、ramucirumab 8mg/kgを1日目と15日目に静脈内投与し、PD、忍容不能な毒性、または同意の撤回まで継続した。放射線学的評価は2サイクルごとに行われた。
 
 73人が登録され、このうち60人(年齢中央値62.2歳)にramucirumabが投与された。卵巣癌のグレードでは、低分化型/未分化型が最も多く患者の63.3%、中分化型15.0%、高分化型5%、不明16.7%だった。組織型では漿液性癌が65%で最も多く、明細胞癌が11.7%でこれに次いだ。47人(75%)はプラチナ系抗癌剤に抵抗性または難治性だった。前治療のレジメン数の中央値は3で、2レジメンが50%、3レジメンが16.7%、4レジメン以上が5%だった。最高は14レジメンだった。
 
 6カ月の時点のPFSは34.2%(95%信頼区間:21.7%−47%)、PFSの期間の中央値は3.5カ月(同:2.3−5.3)となった。

 最良総合効果は、部分奏効(PR)が3人(5%)、安定状態(SD)が34人(56.7%)だった。奏効期間中央値は5.6カ月(95%信頼区間:3.7−17.5)だった。全生存期間(OS)中央値は11.1カ月(同:8.3−17.0)、1年生存率は48%(同:34.9−59.9)となった。ウォーターフォールプロットでは、プラチナ系抗癌剤に難治性、抵抗性、感受性のいずれの患者においても腫瘍の縮小が認められた。

 ramucirumabに関連する有害事象は55人(92%)に発現したが、予測されない毒性はみられなかった。このうち患者の3%以上で報告されたグレード3の有害事象は、頭痛6人(10%)、血小板減少、疲労感、AST上昇、低ナトリウム血症、高血圧が各2人(3%)だった。5人がramucirumabの投与中または投与中止から30日以内に死亡し、死因は4人がPD、1人は腸管穿孔だった。グレード4の腸管穿孔と大腸腟瘻が各1人に発現し、腸管穿孔または大腸腟瘻が発生した計3人はいずれもPDで腫瘍量が多い患者だった。