III期の大腸癌の術後補助化学療法として、テガフール・ウラシル(UFT)とロイコボリン(LV)の併用(UFT/LV)は、静注5-FUとレボホリナート(l-LV)の併用(5-FU/l-LV)に対して無病生存期間(DFS)について非劣性であることが明らかとなった。非劣性を検証したフェーズ3試験、JCOG0205の結果示されたもの。6月1日から5日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、国立がん研究センター中央病院の島田安博氏によって発表された。

 JCOG0205試験では、III期の大腸癌で手術を受けた患者を、5-FU/l-LVを3コース(1コースは5-FU 500mg/m2、l-LV250mg/m2を8週間おきに1日目、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目に投与)受ける群とUFT/LVを5コース(1コースは1日あたりUFT 300mg/m2、LV 75mgを5週間おきに1日目から28日目まで投与)受ける群に分けて行われた。

 2003年2月から2006年11月まで1101人(適格患者1092人)が、5-FU/l-LV群(550人)とUFT/LV群(551人)に無作為に割り付けられた。患者の年齢中央値はどちらも61歳、結腸癌67%、直腸癌33%。陽性リンパ節数は3個以下が5-FU/l-LV群72%、UFT/LV群72%、4個超が5-FU/l-LV群28%、UFT/LV群27%だった。D2隔清術を受けたのは、5-FU/l-LV群が22%、UFT/LV群が27%、D3隔清術を受けたのは、5-FU/l-LV群が78%、UFT/LV群が73%だった。深達度は、5-FU/l-LV群はT1が5%、T2が11%、T3が80%、T4が4%だった。UFT/LV群はT1が7%、T2が11%、T3が79%、T4が3%だった。両群とも3a期が75%、3b期が25%だった。

 観察期間中央値は72.0カ月で、3年無病生存率は78.6%(5-FU/l-LV群が79.3%、UFT/LV群が77.8%)だった。5年無病生存率は、5-FU/l-LV群が74.3%、UFT/LV群が73.6%。8年無病生存率は5-FU/l-LV群が69.8%、UFT/LV群が66.4%だった。DFSのハザード比は1.016(91.3%信頼区間:0.838-1.232)でUFT/LVの非劣性が証明された(p=0.0236)。

 5年全生存率は全体で87.9%だった。3年全生存率は5-FU/l-LV群が94.5%、UFT/LV群が93.9%。5年全生存率は、5-FU/l-LV群が88.4%、UFT/LV群が87.5%だった。8年全生存率は5-FU/l-LV群が82.6%、UFT/LV群が82.4%だった。5年全生存率のハザード比は1.055(95%信頼区間:0.772-1.442)。

 サブグループ解析で両群間で有意な差がついた背景因子はなかった。3A期(167人)の3年無病生存率は91.6%、5年無病生存率は90.4%、3B期(735人)の3年無病生存率は79.7%、5年無病生存率は74.1%、3C期(190人)の3年無病生存率は62.6%、5年無病生存率は58.9%だった。

 II期、III期の大腸癌を対象に術後補助化学療法としてUFT/LVが週1回フルオロウラシル、ホリナートに対し非劣性であることを示したNSABP C-06試験の5年全生存率(69.6%)と比べ、非常に良好な結果で、日本におけるD3隔清術と細心に行われたリンパ節の検査による病期の移行が関連している可能性があるとしている。

 グレード3/4の副作用は、5-FU/l-LV群で好中球減少症(8.4%)、UFT/LV群でALT値上昇(8.7%)が認められ、下痢(5-FU/l-LV群9.6%、UFT/LV群8.5%)、食欲不振(5-FU/l-LV群4.0%、UFT/LV群3.7%)は同等だった。NSABP C-06試験と比べてグレード3/4の下痢は3分の1に減少し、グレード3/4のALT値上昇は3倍だった。なお、治療関連死はなかった。