今回の米国臨床腫瘍学会(ASCO)では、膵癌に関して、ゲムシタビンS-1の併用をゲムシタビン単独と比較した試験結果が複数報告されました。最も大規模な試験結果として注目したのは、大阪府立成人病センター検診部の井岡達也氏が発表した、日本と台湾で行われたGEST試験です。

 GEST試験は、切除不能の進行膵癌患者を、ゲムシタビン群(GEM群)、S-1群、ゲムシタビン+S-1群(GS群)の3群に分けて追跡したランダム化オープンラベルフェーズ3試験です。2007 年7月から2009 年10 月までに834人の患者が登録され(日本768人、台湾66人)、GEM群277人、S-1群280人、GS群277人に無作為割付されました。主要評価項目は全生存期間で、副次的評価項目は無増悪生存期間、奏効率、毒性、QOLです。GS群のGEM群に対する優越性、S-1群のGEM群に対する非劣性を調べることが目的でした。

 薬剤投与サイクルは、GEM群は4週間を1サイクルとして1日目と8日目と15 日目に1000mg/m2を投与、S-1群は6週間を1サイクルとして1日目から28日目まで体表面積に応じて1日あたり80mg・100mg・120mgのいずれかを投与、GS群は3週間を1サイクルとして1 日目と8 日目にゲムシタビン1000mg/m2、1日目から14日目まで体表面積に応じてS-1を1日あたり60mg・80mg・100mgのいずれかの投与となっていました。

 日本で、進行膵癌患者を対象に、このような3群比較の大規模な臨床試験が実施できたことをまずは高く評価したいと思います。既にフェーズ2 試験でGSは40%以上の奏効率を示しており、ゲムシタビン単独に対する優越性について、多くの臨床医が高い関心を持っていました。


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