手術不能の肝細胞癌(HCC)に対する実臨床でのソラフェニブ治療の様式や患者背景、治療成績などを追跡して評価する国際的な大規模研究であるGIDEON試験の2回目の中間解析の結果が報告された。安全性と有効性をChild-Pugh分類別に検討したところ、肝細胞癌に対するソラフェニブの安全性プロファイルには大きな差はないが、治療予後はChild-Pugh Bの方がChild-Pugh Aよりも不良だったというのが主な成績。成果は、6月3日から米国シカゴで開催された第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、米University of MichiganのJorge Marrero氏が発表した。

 今回の中間解析は、Child-Pugh分類別の治療内容、安全性、治療予後の評価が主な目的。当初からの試験計画に従い、ソラフェニブを投与して4カ月以上追跡したHCC患者が約1500人に達した時点で実施された。1571人の患者が治療内容および安全性評価の対象となり、内訳はChild-Pugh A(CP-A)957人(61%)、Child-Pugh B(CP-B)367人(23%)、Child-Pugh C(CP-C)35人(2%)だった。また、ITT解析対象1612人における全生存及び無増悪期間の評価も行った。

 Child-Pugh分類別にみたソラフェニブ治療の用量は、1日量の平均値がCP-Aが631mg、CP-Bが633mg、CP-Cが619mgであり、中央値もそれぞれ680mg、721mg、680mgと大きな差はなかった。投薬を中断した患者の割合はCP-A 24%、CP-B 22%、CP-C 20%であり、追跡中の用量増量はそれぞれ18%、13%、3%、用量減量は37%、27%、29%だった。

 ソラフェニブの投与期間は、4週以下がCP-A 12%、CP-B 23%、CP-C 46%、4〜8週がそれぞれ17%、23%、23%、8〜20週が38%、28%、23%、20〜28週が13%、9%、0%、28週超が18%、14%、6%だった。投与期間の中央値はCP-Aが14週間、CP-Bが9週間、CP-Cが6週間だった。

 また、Child-Pugh分類別の有害事象の発生頻度は、グレード3/4の薬剤関連有害事象がCP-A 37%、CP-B 22%、CP-C 23%、重篤な有害事象がそれぞれ29%、56%、63%、薬剤に関連した重篤な有害事象が8%、15%、6%だった。ソラフェニブの投与中止に至った有害事象の発生頻度はそれぞれ24%、38%、51%、死亡は16%、34%、37%だった。

 発生頻度が高かった主な薬剤関連有害事象は、下痢(CP-A 26%、CP-B 23%、CP-C 9%)、手足皮膚反応(CP-A 29%、CP-B 15%、CP-C 3%)、倦怠感(CP-A 15%、CP-B 11%、CP-C 17%)、皮疹(CP-A 13%、CP-B 10%、CP-C 6%)だった。

 一方、治療予後に関して、ITT解析対象における全生存期間の中央値はCP-A(984人)10.3カ月、CP-B(376人)4.8カ月、CP-C(36人)2.0カ月だった。無増悪期間の中央値はそれぞれ4.2カ月、3.6カ月、2.1カ月だった。

 Marrero氏は以上の結果から、患者数が十分に多かったCP-A群とCP-B群の比較として、(1)ソラフェニブの1日量は両群間に差がなく、治療期間の中央値はCP-B群が短い、(2)薬剤関連有害事象は両群間に差がないが、CP-B群の方が重篤な有害事象、治療中止率及び死亡率が高い、(3)全生存期間の中央値はCP-B群が短い、と指摘。

 その上で同氏は、「ソラフェニブの安全性プロファイルはCP-A群でもCP-B群でも概ね同様である。CP-B群の方が薬剤に関連しない有害事象が多く、治療予後が不良だったことはCP-B患者の予後不良を反映したものと考えられる。この成績は、Child-Pugh分類が全生存の有用な予後予測因子であるという以前の試験結果とも一致する」と結論した。