前治療の化学療法を施行中または施行後に進行した軟部組織肉腫に対し、パゾパニブはプラセボと比べて無増悪生存期間(PFS)を3倍延長したことがフェーズ3試験(PALETTE:EORTC62072)で示された。6月3日から7日にかけてシカゴで開催された第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、オランダRadboud University Medical CentreのW. T. Van Der Graaf氏が発表した。

 パゾパニブについては、進行性の軟部組織肉腫を対象にフェーズ2試験が行われ、12週時の無増悪率(PFR)は平滑筋肉腫と滑膜肉腫で40%を超え、毒性も受容可能な範囲だったことが報告されている。

 Van Der Graaf氏らは、国際的な多施設共同、二重盲検、フェーズ3のEORTC62072試験を実施し、セカンドライン治療またはそれ以降の治療ラインにおけるパゾパニブの有効性と安全性を評価した。

 対象は、過去6カ月間(ネオアジュバント療法またはアジュバント療法のみを受けた場合は12カ月間)に進行を認めた軟部組織肉腫で、最大でフォースライン治療まで受けた患者。ただし、アントラサイクリンの投与を受けていることとした。

 患者はパゾパニブ800mgまたはプラセボを毎日投与する群に、2対1になるよう割り付けた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、QOL、安全性とした。

 13カ国、72施設から、369人が登録され、パゾパニブ群に人246人(年齢中央値56.7歳)、プラセボ群に123人(同51.9歳)が無作為に割り付けられた。

 平滑筋肉腫、滑膜肉腫はパゾパニブ群に47%と12%、プラセボ群に41%と11%が含まれた。初回診断時のステージがIIIだったのは、パゾパニブ群65%、プラセボ群73%だった。両群とも50%以上がセカンドからフォースまでの治療を受けており、アントラサイクリンを使用した患者は、パゾパニブ群では99%、プラセボ群では98%に上った。

 追跡期間の中央値が15カ月の時点で、PFSの中央値は、パゾパニブ群4.6カ月、プラセボ群1.5カ月となり、約3倍延長した。ハザード比(HR)は0.31(95%信頼区間 0.24〜0.40)となった(p<0.0001)。

 PFSを組織学別にみると、平滑筋肉腫ではHRは0.31(95%信頼区間 0.20〜0.47)、滑膜筋肉腫ではHRは0.19(同 0.23〜0.60)となった(p<0.0001、p=0.0002)。

 OSは中間の発表で、パゾパニブ群11.9カ月、プラセボ群10.4カ月、HRは0.83で、有意差はみられていない(p=0.1782)。今年後半には最終的な解析結果が得られる見込みだ。

 部分奏効(PR)と安定状態(SD)は、パゾパニブ群で6%と67%、プラセボ群で0%と38%だった。進行(PD)は23%と57%に認められた。進行による早期の死亡は、1%と5%となった。

 試験治療薬の投与中止の理由は、パゾパニブ群ではPDが70%、毒性が14%、プラセボ群では96%と1%だった。

 パゾパニブ群で多く発現したグレード3以上の有害事象は、疲労感13%、高血圧7%、食欲不振6%、下痢5%などで、プラセボ群ではそれぞれ6%、3%、0%、1%だった。パゾパニブ群では、グレード3以上の心筋の機能障害が1%、静脈血栓症が2%に発現した。プラセボ群では0%と1%だった。

 薬剤に関連する重篤な有害事象として、パゾパニブ群の1人(0.4%)に多臓器不全が発生したが、多くの有害事象は適切なモニタリングと適切な介入で管理可能と考えられた。

 本試験では、現在もパゾパニブ群の44%、プラセボ群の37%が追跡期間中である。