アジアで進行胃癌に対する標準術式となっているD2郭清を受けた患者を対象に、カペシタビンとオキサリプラチンを併用するXELOX療法を術後補助療法として用いた場合の3年時の無病生存率を、観察のみに割り付けられた患者と比較したフェーズ3 CLASSIC試験の結果は、XELOX療法の適用を支持した。韓国Seoul国立大学のYung-Jue Bang氏がASCO 2011で6月7日に発表した

 切除可能な胃癌の患者が手術を受けた後の再発率は40-80%と高い。術後補助療法は再発を減らすことを目的としているが、胃癌の場合には、現在のところ広く適用できるレジメンは無い。先に行われた臨床試験で、胃癌に対する術前と術後の補助療法の有効性が示されたが、欧米とアジアでは標準術式が異なることから、得られた結果をそのまま東洋人の患者に適用することはできなかった。また、多くの専門家が、アジアの標準であるD2郭清術が適用された患者には、術前と術後の補助療法は不要と考えていた。

 Bang氏らは、D2郭清後の患者も術後補助療法の利益を得られるのではないかと考え、オープンラベルの無作為化試験CLASSICを実施した。

 韓国、中国、台湾の37施設で患者登録を行った。組み入れ条件はこの種の試験で標準的に用いられるものだが、手術の質については厳格に管理したという。

 18歳以上で、化学療法歴無し、放射線治療歴無し、カルノフスキー尺度を用いた評価のスコアが70%以上、ステージII(T2N、T1N2,T3N0)、ステージIIIa(T3N1、T2N2、T4N0)、ステージIIIb(T3N2)の胃癌患者で、D2郭清が施行され肉眼的にも顕微鏡下にも腫瘍の残存がなかった1035人を登録し、6週間以内に、無作為に術後補助療法(XELOXレジメン、520人、年齢の中央値は57歳)または観察のみ(515人、56歳)に割り付けた。

 XELOX群には、カペシタビン(1000mg/m2を1日2回に分割し14日間連続投与して7日間休薬する、3週間が1サイクル)とオキサリプラチン(130mg/m2を1日目に投与する、3週間が1サイクル)を8サイクル投与することとした。

 主要エンドポイントは3年時の無病生存率に、2次エンドポイントは全生存率と安全性に設定、分析はintention-to-treatで行った。

 追跡期間の中央値は34.4カ月だった。両群ともに手術から割り付けまでの期間の中央値は1.12カ月だった。

 患者の半数がステージII、3分の1強がステージIIIaで、9割の患者がN1-2のリンパ節転移を有していた。

 XELOXは中央値8サイクル行われていた。

 3年間に再発した患者はXELOX群の94人(18.1%)、観察群の155人(30.1%)だった。3年時の無病生存率はXELOX群が74%(95%信頼区間 70-79)、観察群が60%(同 54-65)で、ハザード比は0.56(0.44-0.72)になった。

 サブグループ解析も行ったが、病期、年齢、性別、リンパ節転移の有無にかかわらずXELOXの利益が認められた。特に病期については、ステージIIからIIIbまでのどの段階の患者群でもハザード比は同様の値を示した。

 3年間の全死因死亡はXELOX群が62人、観察群は80人で、ハザード比は0.74(0.53-1.03)と有意差を示さなかったが、XELOX群のほうが好ましい傾向が見られた。研究者たちは、さらに追跡を続けてXELOXの生存への影響を明らかにする必要があると考えている。

 XELOX群の有害事象(AEs)プロファイルは、これまでに行われた臨床試験で見られたと同様だった。あらゆるAEsはXELOX群の99%、観察群の52%に発生。グレード3/4のAEsを経験したのはそれぞれ54%と6%で、重篤なAEsは14%と7%の患者に認められた。XELOX群の患者の10%超に見られたグレード3/4のAEsは好中球減少症のみだった。