切除不能な胆道癌に対しゲムシタビンオキサリプラチンGEMOX)とエルロチニブを併用するファーストライン治療は、胆道癌の対象全体では無増悪生存期間(PFS)の延長を示すことができなかったが、肝内胆管癌(CCC)ではPFSを有意に延長することがわかった。対象全体の奏効率も、GEMOXとエルロチニブの併用がGEMOXの値を上回った。6月3日から7日にかけてシカゴで開催された第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、韓国Samsung Medical CenterのH. Y. Lim氏が発表した。

 転移を有する切除不能な胆道癌に対し、緩和化学療法の標準的なレジメンは確立されていない。しかし、胆道癌に対するゲムシタビンと白金系抗癌剤の併用や、膵癌に対するゲムシタビンとエルロチニブの併用の有用性は示されてきている。

 Lim氏らは、転移を有する切除不能な胆道癌に対するファーストライン治療として、ゲムシタビン+オキサリプラチン(GEMOX)とGEMOX+エルロチニブを比較する多施設共同、非盲検の無作為化フェーズ3試験を実施した。

 対象は、組織学的に確認された肝外胆管癌、肝内胆管癌(CCC)、十二指腸乳頭部癌、胆嚢癌で、転移を有する、または切除不能な患者。主要目的は無増悪生存期間(PFS)とし、副次的な目的は全生存期間(OS)、奏効率、安全性とした。

 ゲムシタビン1000mg/m2とオキサリプラチン100mg/m2は2週毎に、エルロチニブは100mgを1日1回投与した。

 2009年2月から2010年8月までに268人が登録され、GEMOX群に133人(うち男性79人、年齢中央値61歳)、GEMOX+エルロチニブ群に135人(同91人、59歳)が割り付けられた。

 原発腫瘍は、CCC、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌がそれぞれ180人、82人、6人となった。GEMOX群の内訳は、84人、47人、2人、GEMOX+エルロチニブ群は96人、35人、4人だった。GEMOX群の23人、GEMOX+エルロチニブ群の35人に手術歴があった。

 追跡期間の中央値が13.9カ月の時点で、ITT解析ではPFSの中央値はGEMOX群で4.2カ月(95%信頼区間 2.7〜5.7)、GEMOX+エルロチニブ群で5.8カ月(95%信頼区間 4.6〜7.0)となり、有意差は得られなかった(p=0.00796)。

 サブグループ解析では、PFSはCCCで有意差が得られた。GEMOX群で3.0カ月(95%信頼区間 1.1〜4.9)、GEMOX+エルロチニブ群で5.9カ月(95%信頼区間 4.7〜7.1)となった(p=0.0495)。

 OSの中央値は両群ともに9.5カ月だった(p=0.6110)。

 完全奏効(CR)と部分奏効(PR)の割合は、GEMOX群は2.5%と15.3%、GEMOX+エルロチニブ群は0%と34.4%となり、併用によりGEMOXを上回る値となった。

 GEMOX群と比べてGEMOX+エルロチニブ群で多かったグレード2以上の有害事象は、発疹、下痢、食欲不振、血小板減少、ALT上昇、末梢神経障害などだった。

 EGFRやKRAS、PI3Kの変異など、バイオマーカーの解析は現在進行中であるという。