骨粗鬆症がなく、ビスホスホネートを投与していない早期乳癌患者のアジュバント療法では、アロマターゼ阻害剤(AI)のエキセメスタンはアナストロゾールと比べて1年時の骨量減少を有意に抑制し、2年時の骨量減少も抑制する傾向が示され、ビスホスホネートの処方が必要な患者が少数だったことが、NCIC CTG MA.27B試験の2年間の結果から示された。6月3日から7日にかけてシカゴで開催された第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、米Columbia University Medical CenterのD. L. Hershman氏が発表した。

 NCIC CTG MA.27試験(MA.27試験)では、閉経後の早期乳癌患者7576人にアジュバント療法でエキセメスタンまたはアナストロゾールを5年間投与し効果を比較している。

 Hershman氏らは、エキセメスタンはアナストロゾールよりも骨代謝と骨粗鬆症のリスクに対する影響が少ないと仮定し、骨密度に着目して進めたMA.27B試験で検証した。

 MA.27試験から497人を対象に組み入れ、骨密度のTスコアに基づき、2つのコホートに分類した。Tスコアが−2.0SD以上でビスホスホネートを投与しないAグループは300人、Tスコアが−2.0SD未満で骨粗鬆症があり、ビスホスホネートを投与するBグループは197人となった。両群とも、ビタミンDを300IUとカルシウムを1000mg毎日投与した。

 主要目的は、2年時のA、Bグループの股関節と腰椎の骨密度の違いを判定することとした。股関節と腰椎(L1〜L4)の骨密度を、ベースラインから5年間、毎年測定し、Aグループにおける骨粗鬆症の発生を確認した。

 1年時の骨密度をみると、Aグループの股関節で有意差がみられた。エキセメスタン群の平均が−0.62%だったのに対し、アナストロゾール群では−1.66%だった(p=0.007)。腰椎では有意差はなかったが、エキセメスタン群で−0.59%、アナストロゾール群で−1.88%と、エキセメスタン群で減少が抑えられる傾向がみられた。

 Bグループでは、股関節ではエキセメスタン群で0.61%、アナストロゾール群で0.83%、腰椎では3.75%と2.6%の増加傾向がみられた。

 2年時の骨密度をみると、Aグループの股関節ではエキセメスタン群で−1.93%、アナストロゾール群で−2.47%だった。腰椎では−0.92%と−2.39%で、いずれもエキセメスタン群で減少が抑制される傾向がみられた。

 Bグループの股関節ではエキセメスタン群2.09%、アナストロゾール群0.09%、腰椎では2.11%と3.72%の増加傾向がみられた。

 Aグループで、ベースライン、1年時、2年時にビスホスホネートが処方された割合は、エキセメスタン群で1.4%、10.69%、14.5%、アナストロゾール群で3.3%、12.8%、20.6%だった。

 1、2年時のTスコアは、エキセメスタン群とアナストロゾール群で有意差はなかった。骨代謝のマーカー(PINPやNtx)にも群間差はなかった。

 Hershman氏は今後、中枢と末梢の骨密度について、感受性解析なども行うとしている。