非小細胞肺癌(NSCLC)患者のうち、anaplastic lymphoma kinase(ALK)融合遺伝子を有するALK陽性の患者は3〜5%とこれまで報告されているが、ALK阻害剤が投与されたことがないALK陽性NSCLC患者に関するデータは限られていた。今回、ALK陽性NSCLC患者は上皮成長因子受容体(EGFR)変異を有するNSCLC患者や、ALK野生型かつEGFR野生型のNSCLC患者よりも予後が悪いことが、単施設におけるレトロスペクティブな検討結果により示された。6月3日から7日までシカゴで開催された第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、韓国Seoul National University HospitalのDong-Wan Kim氏らが発表した。

 まず同病院のデータベースから、2003年1月から2009年1月までのステージIIIB/IVの非扁平上皮NSCLC患者1100人を抽出した。その中から、EGFR変異陽性がない患者、あるいはEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)にプアレスポンダーの患者を選び出したところ、最終的に257人が候補となった。

 一方、同じ1100人において、ALK陽性か否かをFISH法により確認したところ、ALK阻害剤を投与されていないALK陽性患者が22人含まれていた。

 次に診断時年齢、性別、ステージの点から、ALK陽性患者1人に対し、EGFR変異陽性患者と、ALK野生型かつEGFR野生型患者を2人ずつマッチさせた。なお、ALK阻害剤を投与された患者は含まれていない。

 マッチさせた結果、診断時年齢の中央値はALK陽性群(22人)が47.9歳、EFGR変異陽性群(44人)が51.3歳、ALK野生型・EGFR野生型群(44人)が52.4歳。男女比は3群ともだいたい2対3で、ほぼ全員がステージIVだった。ファーストライン治療に対する奏効率(RR)は順に30.0%、28.1%、35.3%で、EGFR-TKI投与(ファーストラインに限らない)のRRは0%、80.0%、8.3%だった。

 全生存期間(OS)中央値は、ALK陽性群が10.37カ月、EGFR変異陽性群が28.03カ月、野生型群が14.53カ月と、EGFR変異陽性群のみALK陽性群に対しOSが有意に長かった(p=0.012)。

 ファーストライン治療の無増悪生存期間(PFS)中央値は順に、3.87カ月、4.87カ月、3.40カ月と、EGFR変異陽性群、野生型群のいずれもALK陽性群と有意な差はなかった。それに対し、EGFR-TKI投与のPFS中央値は1.37カ月、10.70カ月、2.03カ月と、EGFR変異陽性群も野生型群もALK陽性群に対し有意に長かった(順にp<0.0001、p=0.035)。