ファーストライン治療に関する3つのフェーズ3試験の結果を基に解析した結果、転移性乳癌患者の場合、病勢コントロール率(DCR)の方が奏効率(RR)よりも全生存期間(OS)とよく相関していた。過去に、非小細胞肺癌において、治療開始から第8週におけるRRやDCRはOSを予測する可能性が報告されており、それを参考に今回の検討を行ったという。6月3日から7日までシカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米Eli Lilly 社のJingyi Liu氏らが発表した。

 今回の解析では、論文掲載されている3試験から、転移性乳癌と診断された18歳以上の計1159人の患者データを用いた(J Clin Oncol 2008; 26: 3950-7, J Clin Oncol 2009; 27: 1753-60, Ann Oncol 2011; 22: 1094-1101)。それぞれの試験におけるOS中央値は順に、17.4カ月、20.3カ月、24.1カ月だった。年齢中央値はそれぞれ53歳、55歳、55歳で、ECOG Performance Status(0/1)は25.8%/74.2%、20.3%/79.7%、75.5%/22.5%。白人の割合は順に60.0%、98.3%、62.5%だった。

 RRあるいはDCRとの相関をCox比例ハザードモデルにより、治療開始から第8週、17週、20週で求めたところ、RRのハザード比は順に0.72(95%信頼区間 0.61-0.85、p=0.0001)、0.66(同 0.52-0.83、p=0.0005)、0.50(同 0.34-0.76、p=0.0009)だった。一方、DCRのハザード比は順に0.44(同 0.36-0.55、p<0.0001)、0.53(同 0.40-0.69、p<0.0001)、0.26(同 0.16-0.42、p<0.0001)で、いずれもOSとの有意な相関が認められたが、DCRの方が相関は大きかった。

 また、第8週におけるハザード比を試験ごとに求めたところ、RRの場合は、1つの試験だけが有意に相関していたが、DCRの場合は、3つの試験それぞれで有意な相関が確認された。

 これらの結果を踏まえLiu氏は、前向きにデザインされた臨床試験において、第8週におけるDCRは副次評価項目として用いることができるかもしれないとの考えを示した。