スニチニブやサイトカインなどによる治療歴がある進行性腎細胞患者で、アキシチニブはソラフェニブに比べて、有意に無増悪生存期間(PFS)を延長させることが、日本も参加したフェーズ3試験AXIS 1032で明らかになった。また患者のQOLはアキシチニブのほうが維持されやすいことも示された。6月3日から7日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、米The Cleveland Clinic Taussig Cancer InstituteのBrian I. Rini氏や米Northwestern UniversityのDavid Cella氏らによって報告された。

 アキシチニブは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体1、2、3を選択的に阻害する経口剤。AXIS 1032試験には、米国、欧州、日本などから、前治療の後に病勢が進行した淡明細胞型の腎細胞癌患者723人が登録された。患者を無作為に2群に分け、アキシチニブ(開始用量は5mg 1日2回)もしくはソラフェニブ(400mg 1日2回)を投与した。 前治療は、スニチニブを含む治療が54%、サイトカインが35%、ベバシズマブが8%、テムシロリムスが3%だった。

 主要評価項目であるPFSは、独立審査委員会の判定では、中央値がアキシチニブ群は6.7カ月(95%信頼区間 6.3-8.6)、ソラフェニブ群は4.7カ月(95%信頼区間 4.6-5.6)で、アキシチニブ群で有意に延長した(ハザード比 0.665、95%信頼区間 0.544-0.812、p<0.0001)。なお医師の判断によるPFS中央値はアキシチニブ群が8.3カ月、ソラフェニブ群が5.6カ月だった(ハザード比 0.658、p<0.0001)。

 前治療別のPFS中央値(独立審査委員会の判定)は、サイトカイン治療歴の患者(251人)ではアキシチニブ群が12.1カ月、ソラフェニブ群が6.5カ月(p<0.0001)、スニチニブ治療歴の患者(389人)ではそれぞれ4.8カ月、3.4カ月(p=0.011)と、いずれもアキシチニブ群で優れていた。しかし、テムシロリムス治療歴の患者(24人)ではそれぞれ10.1カ月、5.3カ月(p=0.142)、ベバシズマブ治療歴の患者(59人)では4.2カ月、4.7カ月(p=0.637)だった。

 アキシチニブ群の奏効率は19.4%、ソラフェニブ群は9.4%(p=0.0001)で、病勢安定はそれぞれ49.9%、54.4%だった。

 アキシチニブ群の主な有害事象は、下痢(55%)、高血圧(40%)、倦怠感(39%)、悪心(32%)、嘔吐(24%)、甲状腺機能低下症(19%)などで、ソラフェニブ群に比べると、高血圧や甲状腺機能低下症は多いが、手足症候群や皮疹、脱毛は少なかった。有害事象による治療中止はアキシチニブ群が3.9%、ソラフェニブ群が8.2%だった。

 これらの結果から、Rini氏は「アキシチニブは進行性腎細胞癌の2次治療の標準治療と考えられる」と述べた。

 AXIS試験では、副次評価項目として患者報告アウトカムが検討された。腎癌に特異的な症状やQOLを評価するFKSI-15とFKSI-DRSを用いた結果、アキシチニブ群とソラフェニブ群のスコアはほぼ同等であった。また死亡や病勢進行、健康関連QOL低下が起こるまでの期間(TTD)は、FKSI-15を用いた場合、中央値でアキシチニブ群が3.1カ月(95%信頼区間 2.8-4.5)、ソラフェニブ群は2.8カ月(同 2.7-3.0)(p=0.014)、FKSI-DRSの場合はそれぞれ3.7カ月(同 2.8-4.6)、2.9カ月(同 2.8-3.5)(p=0.02)と、いずれもアキシチニブ群のほうがTTDは延長された。