切除不能なステージIIIまたはIVの黒色腫で治療歴がない患者を対象としたフェーズ3試験(Study 024)において、抗細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)-4完全ヒトモノクローナル抗体のipilimumabをダカルバジンと併用すると、ダカルバジン単剤と比べて全生存期間(OS)を有意に延長する結果が示された。6月3日から7日にかけてシカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、米Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのJedd Wolchok氏が発表した。
 
 ipilimumabについてはフェーズ2の用量探索試験により、推奨用量は3mg/kgとなったが、奏効率は10mg/kgが最も高いことがわかった。また昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)では、フェーズ3試験でペプチドワクチンgp100と比べてipilimumab(3mg/kg)が転移を有する黒色腫患者の生存期間を改善したことが報告された。

 今回、Wolchok氏らは、切除不能なステージIIIまたはIVの黒色腫で治療歴がない患者に対するファーストライン治療として、ipilimumabとダカルバジンの併用を評価するフェーズ3のStudy 024を実施した。

 導入治療として、ipilimumab 10mg/kgを3週毎に4回投与し、併用でダカルバジン850mg/m2も3週毎に8回投与(併用群)、またはダカルバジン同量とプラセボを投与(ダカルバジン群)した。いずれかの群に患者を1対1で無作為に割り付けた。その後の維持治療では、ipilimumab 10mg/kgを12週毎またはプラセボを投与した。主要評価項目はOSとした。

 24カ国から502人が参加し、併用群250人(年齢中央値57.5歳、男性60.8%)、ダカルバジン群252人(同56.4歳、59.1%)となった。内臓転移や血清LDH値高値を伴う遠隔転移のステージ(M1c)の患者は、併用群57.2%、ダカルバジン群55.2%だった。

 導入治療を4回受けた患者は、併用群37.2%、ダカルバジン群66.0%、維持治療を1回以上受けた患者は17.4%と21.1%となった。

 OSの中央値は、併用群で11.2カ月、ダカルバジン群で9.1カ月となり、併用群でOSが有意に改善した(ハザード比 0.72、p=0.0009)。併用群とダカルバジン群で推定される1年生存率は47.3%と36.3%、2年生存率は28.5%と17.9%、3年生存率は20.8%と12.2%だった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は、併用群2.8カ月、ダカルバジン群2.6カ月となり、PFSも併用群で有意に延長した(ハザード比 0.76、p=0.006)。

 完全奏効(CR)と部分奏効(PR)は、併用群で1.6%と13.6%、ダカルバジン群で0.8%と9.5%で両群に大きな差はなかったが、奏効期間は併用群で19.3カ月、ダカルバジンで8.1カ月と差がみられた。

 薬剤に関連するグレード3以上の有害事象は、併用群で50.6%、ダカルバジン群で11.6%に発現した。ipilimumabの投与により、ALTとASTのグレード3以上の上昇は21.9%と18.2%と高く、下痢と大腸炎は4%と2%と低い発現率だった。消化管穿孔は発現しなかった。

 Wolchok氏は研究の次の段階として、黒色腫の術後補助療法、分子標的薬などとの併用の選択肢、異なる癌腫での使用などをあげている。