進行した非小細胞肺癌(NSCLC)の非扁平上皮癌の患者で、ペメトレキセドとシスプラチンを用いた導入化学療法により病態安定以上の反応を示した人々に対する維持療法として、ペメトレキセド+支持療法(BSC)またはプラセボ+BSCを用いた場合の有効性を比較した二重盲検の無作為化フェーズ3試験PARAMOUNTで、ペメトレキセドを引き続き投与すると無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが明らかになった。スペインVirgen del Rociacuteo大学病院のLuis G. Paz-Ares氏がASCO 2011で6月5日に報告した。

 NSCLCの患者は、多くがステージIIIB/IVで診断され、ファーストラインとしてプラチナ製剤ベースの化学療法を受ける。これにより、完全奏効、部分奏効、病態安定となった患者に対して、その状態をより長く維持するために維持療法が行われる。維持療法の目的は無増悪生存期間と全生存期間の延長にある。

 ペメトレキセドは、進行NSCLCに対するファーストラインとしてシスプラチンと併用した場合と、ペメトレキセドを含まないプラチナ製剤ベースのレジメンが適用された患者に維持療法として用いた場合に有効であることがこれまで示されているが、ペメトレキセドを含むファーストライン治療後、続けてこの薬剤を維持療法に用いた場合の効果を調べた研究はこれまで無かった。PARAMOUNT試験は、この戦略の有効性を評価するために設計された。

 非扁平上皮癌のNSCLC患者で、全身性の治療は受けておらず、全身状態が良好(ECOG PSが0または1)な患者939人を登録し、ペメトレキセド(500mg/m2)とシスプラチン(75mg/m2)を3週おきに4回投与した。この治療で完全奏効、部分奏効、病態安定のいずれかの状態になり、全身状態が良好(ECOG PSが0または1)だった患者539人を無作為にペメトレキセド(500mg/m2を3週間に1回)+BSC(359人)、またはプラセボ+BSC(180人)に割り付けて、進行が見られるまで投与を継続した。ファーストライン終了から維持療法開始までの期間は21日から42日とした。全員にビタミンB12、葉酸、デキサメタゾンを投与した。

 主要エンドポイントは無増悪生存期間に設定した。

 ペメトレキセドまたはプラセボに割り付けられた患者の年齢の中央値は61歳、58%が男性で95%が白人だった。91%がステージIVの肺癌で、45%が導入療法で完全奏効または部分奏効と判定されていた。

 割り付け後、両群ともに中央値4サイクルの治療を受けていた。7サイクル以上の治療を受けたのはペメトレキセド群の23%とプラセボ群の14%だった。

 無増悪生存率はペメトレキセド群が51%、偽薬群が66%で、ハザード比は0.62(95%信頼区間 0.49-0.79)になった。カプランマイヤー法を用いて推定した、維持療法割り付けからの無増悪生存期間の中央値は、ペメトレキセド群が4.1カ月(3.2-4.6)、プラセボ群は2.8カ月(2.6-3.1)だった(ログランク検定 p=0.00006)。

 PFSに関するサブグループ解析では、すべての患者グループにペメトレキセドの利益が認められた。

 独立した評価委員会がX線画像に基づいて分析した結果も同様で、PFSはペメトレキセド群が3.9カ月(3.0-4.2)、プラセボ群が2.6カ月(2.2-2.9)(ログランク検定 p=0.0002)、ハザード比は0.64(0.51-0.81)となった。

 委員会の分析では、完全奏効は両群ともにゼロ、部分奏効はペメトレキセド群が9人(2.8%)、プラセボ群が1人(0.6%)(p=0.179)、病態安定は218人(69.0%)と92人(59.0%)で、病勢コントロール率は71.8%(227人)と59.6%(93人)(p=0.009)になった。

 健康関連QOL (EQ-5Dを用いて評価)に差は無かった。

 治療関連の重症有害事象はペメトレキセド群の8.9%、プラセボ群の2.8%に発生。有害事象による治療中止はペメトレキセド群5.3%、プラセボ群3.3%だった。グレード3/4の有害事象はペメトレキセド群に有意に多かった。個々の有害事象の中では疲労感、貧血、好中球減少症の発生率に有意な差が見られた。

 この試験は、全生存期間に対する影響の評価においても十分なパワーを持つ設計になっているため、今後、結果が明らかになり次第報告する予定だという。