9試験に参加した転移性腎細胞癌患者を対象にした研究で、骨転移や肺転移がなく、MSKCCリスク分類でfavorableリスクの患者ではスニチニブの長期的な効果が期待できることがわかった。6月3日から7日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのAna M. Molina氏らが発表した。

 この研究は、9試験に参加した転移性腎細胞癌患者のうち、スニチニブの単独療法もしくは併用療法を受け、2年以上フォローアップできた患者186人を対象に行われた。全体の無増悪生存期間(PFS)中央値は11カ月、全生存期間(OS)中央値は27カ月だった。

 患者の年齢中央値は61歳、男性が67%を占め、腎摘除術は80%の患者が受けていた。転移部位数が2つ以上の患者が75%、転移部位は肺が70%、骨が27%、肝臓が22%。組織学的には淡明細胞癌が80%を占めた。MSKCCリスク分類でfavorableリスクが49%、intermediate/poorリスクが51%だった。

 またこの研究では、スニチニブ治療で18カ月以上にわたり、完全寛解(CR)あるいは病勢進行がない状態を、「長期的な効果あり」と定義した。

 その結果、スニチニブによる治療期間中央値は30カ月、186人のうち34人では長期的な効果が認められた。長期的な効果があった34人のPFS中央値は24.9カ月(95%信頼区間 7.9-50.7)だった。

 単変量回帰解析で、長期的な効果に寄与する因子を分析した結果、骨転移なし(p=0.08)、肺転移なし(p=0.02)、favorableリスク(p=0.045)が抽出され、これらの因子は予後に関与する可能性が示された。
 
 以上のことから、研究グループは、「スニチニブ治療によって、一部の患者では長期的な効果が得られた」とし、さらに「スニチニブの長期投与は比較的、忍容性も認められる」と述べている。