化学療法の後に、経口PARP阻害剤olaparib(AZD2281)による維持療法を行った結果、プラチナ感受性再発漿液性卵巣癌(SOC)の無増悪生存期間(PFS)と無増悪期間(TTP)が延長し、忍容性も認められることが、無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ2試験(PSR SOC)で明らかになった。6月3日から7日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、英国University College LondonのJonathan A. Ledermann氏らによって報告された。

 卵巣癌ではBRCA1/2遺伝子変異が多く見られ、BRCA1/2変異によって上皮性卵巣癌の10〜15%で、漿液性卵巣癌の50%で相同組み換え修復の欠損が認められている。しかしolaparibは、これまでのフェーズ2試験で、BRCA遺伝子変異がある患者でもない患者でも抗腫瘍効果が示されている。

 PSR SOC試験は、悪性度が高い漿液性卵巣癌で、プラチナ系抗癌剤による化学療法を2回以上受けたことがある患者を対象として、16カ国82施設で行われた。プラチナ系抗癌剤を含む治療によって部分奏効もしくは完全奏効が得られた患者265人を、olaparib 400mgを1日2回投与する群(136人)とプラセボを投与する群(129人)に分け、治療を病勢進行まで継続した。

 主要評価項目はRECIST基準によるPFSで、副次評価項目にはCA125による判定(GCIG基準)あるいはRECIST基準によるTTP、全生存(OS)、RECIST基準による客観的奏効率、健康関連QOL、安全性が含まれた。
 
 増悪イベントはolaparib群で60人(44.1%)、プラセボ群で93人(72.1%)に認められた。PFSはolaparib群で有意に長く、PFS中央値がolaparib群は8.4カ月であるのに対し、プラセボ群は4.8カ月で、olaparibによって3.6カ月延長した。ハザード比は0.35、95%信頼区間0.25-0.49、p<0.00001だった。またサブ解析でBRCA変異がある患者では特にolaparib群のPFSは優れていた。

 TTP中央値はolaparib群で8.3カ月、プラセボ群で3.7カ月、ハザード比が0.35、95%信頼区間0.25-0.47、p<0.00001だった。奏効率はolaparib群が12.3%、プラセボ群が4.2%、治療開始から24週での病勢制御率はそれぞれ53%、25%だった。健康関連QOLは2群で有意な違いはなかった。

 有害事象はolaparib群のほうが多かったが、大半はグレード1/2だった。主なグレード3以上の有害事象はolaparib群で倦怠感が7%、貧血が5%、悪心と嘔吐、下痢、腹痛が各2%で、プラセボ群では倦怠感と腹痛が各3%、下痢が2%に認められた。有害事象による治療中止はolaparib群で3人、プラセボ群で1人であり、治療期間中央値はそれぞれ207日、141日だった。