切除不能進行膵癌には、ゲムシタビン単独よりもゲムシタビンS-1を併用する方が有効である可能性が明らかとなった。ゲムシタビン単独投与群とゲムシタビン・S-1併用投与群を比較したGEMSAP試験の最終結果で、1年生存率で併用群がゲムシタビン単独群を統計学的に有意に上回り、統計学的に有意ではないが全生存期間(OS)を延長する傾向が認められた。成果は6月3日から7日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、東京大学消化器内科の伊佐山浩通氏によって発表された。無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長させることは、昨年のASCOで発表されていた。

 GEMSAP試験は、未治療の切除不能進行膵癌を対象に行われた臨床試験。2006年7月から2009年2月までに6病院から106人が登録された。ゲムシタビン単独投与群(53人が登録、投与されたのは52人)には4週間を1サイクルとして、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与した。併用群(53人が登録、投与されたのは51人)には、4週間を1サイクルとしてゲムシタビン1000mg/m2を1日目と15日目に投与し、S-1は1日目から14日目まで40mg/m2を1日2回投与した。ゲムシタビン単独投与群の58%には、セカンドラインとしてS-1が投与されていた。主要評価項目はPFSで、最終解析ではOSが評価された。最終解析時点で、ゲムシタビン単独投与群で2人、ゲムシタビン・S-1併用投与群では4人が生存していた。

 試験の結果、OS中央値は単独投与群が8.8カ月(95%信頼区間 7.0-10.6)、併用群が13.5カ月(95%信頼区間 7.8-16.3)で、ハザード比0.72(95%信頼区間 0.48-1.07)、p=0.104で統計学的に有意ではないが、併用群で延長する傾向があった。1年生存率は単独投与群が30.2%、併用群が52.8%、p=0.031で統計学的に有意に併用群が高かった。またKarnofsky performance statusが100の患者では、OS中央値は単独投与群が8.5カ月(95%信頼区間 7.0-11.0)、併用群が15.0カ月(95%信頼区間 8.9-23.9)、p=0.011で統計学的に有意に併用群の方が長かった。