プラチナ系抗癌剤に感受性がある再発卵巣癌に対し、化学療法とベバシズマブの併用は、増悪リスクを52%低下させ、全生存期間も延長させることが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験(OCEANS)で明らかになった。6月3日から7日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米国Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterのCarol Aghajanian氏らによって報告された。

 試験は、プラチナ感受性再発卵巣癌(上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌、卵管癌)で、ECOG PSは0-1、測定可能病変があり、再発卵巣癌に対する治療歴がない患者を対象に、化学療法に加えてベバシズマブを投与する群(ベバシズマブ併用群)とプラセボを投与する群(化学療法単独群)に無作為に分けた。

 化学療法単独群は、21日置きに、カルボプラチン(AUC 4)を第1日に、ゲムシタビン(1000mg/m2)を第1日と第8日に、プラセボを第1日に投与した。これを6サイクル行った後に、プラセボのみを病勢進行まで投与した。ベバシズマブ併用群には、同様の化学療法に加え、ベバシズマブ(15mg/kg)を第1日に投与し、6サイクル行った後、ベバシズマブのみを病勢進行まで継続した。

 主要評価項目はRECIST基準による無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、奏効期間、安全性とした。なお「プラチナ感受性」は、プラチナ系抗癌剤をベースにした化学療法の終了から6カ月以降に再発した場合と定義された。

 試験には患者484人が登録した。フォローアップ期間中央値24カ月で、研究者による判定のPFS中央値はベバシズマブ併用群が12.4カ月、化学療法単独群は8.4カ月で、ハザード比は0.484、95%信頼区間 0.388-0.605、p<0.0001。独立審査委員会によるPFSは、ベバシズマブ併用群は12.3カ月、化学療法単独群は8.6カ月で、ハザード比は0.451、95%信頼区間 0.351-0.580、p<0.0001で、ベバシズマブ群は有意に良い結果だった。

 またサブグループ解析で、プラチナ系抗癌剤を使用しなかった期間、腫瘍縮小手術、年齢、PSによるいずれのサブグループでも、ベバシズマブ併用群のPFSが優れていた。

 奏効率はベバシズマブ併用群が78.5%、化学療法単独群が57.4%で有意差があり(p<0.0001)、奏効期間はそれぞれ10.4カ月、7.4カ月、ハザード比は0.534(95%信頼区間 0.408-0.698)、p<0.0001だった。

 OSは中間解析だが、中央値はベバシズマブ併用群が35.5カ月、化学療法単独群が29.9カ月で、ハザード比は0.751、95%信頼区間 0.537-1.052、p=0.094。

 新たな有害事象はなかったが、グレード3以上の好中球減少がベバシズマブ併用群で58%、化学療法単独群で56%、グレード3以上の発熱性好中球減少が各群2%の患者に見られた。グレード3以上の高血圧はベバシズマブ併用群で17%、グレード3以上のタンパク尿が9%だった。可逆性後部白質脳症(RPLS)はベバシズマブ併用群で1%だが、消化管穿孔はなかった。また有害事象による治療中止はベバシズマブ併用群では23%、化学療法単独群では5%だった。

 これらの結果から、Aghajanian氏は「プラチナ感受性再発卵巣癌において、ベバシズマブと化学療法の併用は新たな治療オプションと考えられる」と述べた。