システマティックレビューとメタアナリシスから、胆道癌に対する術後補助療法が有用な傾向が示され、リンパ節転移陽性や切除断端陽性のリスクが高い患者では有意に有用性が高い結果となった。6月3日から7日にかけてシカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、カナダPrincess Margaret HospitalのA. M. Horgan氏が発表した。

 胆道癌に対する術後補助療法の有用性は明らかにされていないが、現状では世界の70%以上の施設で実施されている。

 Horgan氏らは、生存に対する術後補助療法の効果を判断し、治療戦略と将来前向き試験で利益を得られるサブグループを特定するためのシステマティックレビューとメタアナリシスを行い、その結果を報告した。

 対象は1960年から2010年11月に発表された試験の抄録とし、適格とした試験について、治癒切除後の胆道癌で術後補助化学療法、放射線療法、化学療法と放射線療法の併用のいずれかを行った場合と、治癒切除のみで術後補助療法を行わなかった場合の転帰を比較した。胆道癌としては、胆嚢癌、肝内胆管癌、肝門部胆管癌、下部胆管癌を含めた。

 評価項目は5年時の死亡のオッズ(OR)とした。リンパ節陽性または切除断端陽性に基づくサブグループ解析も行った。

 その結果、無作為化試験1件、登録研究2件を含む20の試験から患者6712人が対象となった。手術単独群は4915人、術後補助療法群は1797人となった。

 全対象では、手術単独群と比べて術後補助療法群で生存が改善する傾向が示され、ORは0.74(95%CI:0.55〜1.01)で、有意ではなかったものの良好な傾向が示された(p=0.06)。病変部によるORは、胆嚢では0.81、胆管では0.71で、差はみられなかった。

 感度分析では、術後補助療法の効果は治療様式により異なった。放射線療法単独(OR=0.98、p=0.90)と比べて、化学療法(OR=0.39、p<0.001)または化学療法と放射線療法の併用(OR=0.61、p=0.049)で良好となった。

 リンパ節転移陽性の230人と切除断端陽性の216人を含む8件の試験を解析すると、リンパ節転移陽性の患者では術後補助療法のORは0.49(95%CI:0.30〜0.80)で、有意に良好だった(p<0.001)。また切除断端陽性の患者でも、術後補助療法のORは0.36(95%CI:0.19〜0.68)で良好だった(p=0.002)。

 病変部によるORは、リンパ節転移陽性の胆嚢では0.58、胆管では0.45、切除断端陽性の胆嚢では0.35、胆管では0.36だった。

 今回の結果は、リスクが高い患者に術後補助療法が選択される可能性が高いレトロスペクティブな研究によるものである。Horgan氏は「リスクが高い患者では、リンパ節陽性患者に対する化学療法単独や切除断端陽性に対する放射線療法単独を比較対照として、さらに検討する必要がある」と話した。