進行胃癌に対する新薬の登場により生存期間の延長が期待できるようになってきた。ただし、こうした新薬の効果を検討する際、全生存期間(OS)は長期のフォローアップを行わなければ評価できないことに加え、OSに対するファーストライン治療の潜在的な効果にはセカンドライン治療以降の治療も影響するため、より効率的に新薬の有効性を検討するために、無増悪生存期間(PFS)を活用することが期待されている。

 6月3日から米国シカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部の設楽絋平氏は、GASTRICデータベースに登録されている国内外の進行胃癌を対象とした20のランダム化試験(患者数4102例)を対象に解析を行った結果を発表した。

 解析の対象とした各臨床試験において試験薬群と対照群を設定し、試験薬群とは、例えば2剤併用群に対して3剤併用などより多くの薬剤の併用を行っている群や、薬剤数が同じであればより新しい薬剤を含むレジメンを投与している群とした。

 20の試験を合計してOSとPFSについて解析した結果、試験薬のPFSに対する効果は対照群のそれに対しハザード比 0.79(95%信頼区間 0.74-0.85)で、試験薬のOSに対する効果のハザード比 0.86(95%信頼区間 0.81-0.93)よりも高く、またPFSとOSには高い相関関係が見出された。

 一方、臨床試験ごとのPFSとOSの相関関係を解析した結果、R2が0.75以上を高い相関関係と定義していたが、R2は0.61で、評価可能な臨床的反応例だけを対象としても0.54と相関関係は中程度と考えられた。

 今回の検討から設楽氏は、「治療のPFSとOSに対する効果は、個々の患者レベルでの相関は非常に高いが、試験レベルでの相関は中程度だった。今後、PFSのOSに対する代替性をさらに研究していきたい」と締めくくった。