anaplastic lymphoma kinase(ALK)陽性である非小細胞肺癌(NSCLC)患者にALK阻害剤crizotinibを投与した試験で、無増悪生存期間(PFS)が10.0カ月であることが報告された。昨年のASCO(ASCO2010)に引き続き良好な結果が得られ、忍容性が高いことも示された。6月3日から7日までシカゴで開催されている第47回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米University of Colorado DenverのD. Ross Camidge氏らが発表した。

 ASCO2010では、82人のALK陽性NSCLC患者データを解析した結果が報告されたが、PFSの中央値は到達していなかった。今年は119人のデータを基にした解析結果で、追跡期間中央値は11カ月だった。

 crizotinibは250mgを1日2回経口投与し、28日サイクルとした。抗腫瘍効果は1サイクルごとにRECIST基準を用いて、また、安全性については、最初の8週間は2週間おきに、その後は4週間おきにそれぞれ評価した。

 患者背景をみると、年齢中央値は51歳(範囲21-79)で、男女比は半々、白人が74人(62%)、アジア人が34人(29%)。喫煙状況は、非喫煙者が86人(72%)、禁煙者が32人(27%)、喫煙者が1人(1%)だった。また、腺癌患者が116人(97%)と大半を占めていた。

 標的病変における治療反応性を116人で評価したところ、客観的奏効率(ORR)は61%(95%信頼区間 52-70)、奏効期間中央値は48週間、奏効するまでの期間の中央値は8週間。完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、病勢安定(SD)を合わせた病勢コントロール率(DCR)は8週目が79%、16週目が67%だった。

 PFS中央値は10.0カ月(95%信頼区間 8.2-14.7)であったが、全生存期間(OS)については中央値に達していない。23人(19%)が死亡し、2人(2%)は追跡中止となっているが、残りの94人(79%)は追跡中だ。crizotinib初回投与からの生存確率は、6カ月後が90%(95%信頼区間 82.7-94.4)、12カ月後が81%(同 70.9-87.2)。なお、この試験治療に関連した死亡はなかった。

 治療に関連した有害事象のうち、グレード1/2は95人(80%)で、グレード3/4は19人(16%)で発生した。有害事象は視覚関連(62%)、悪心(49%)、下痢(43%)、嘔吐(35%)、浮腫(28%)、便秘(27%)の順に多かった。悪心、下痢、嘔吐は発生までの期間の中央値が2日、視覚関連が13日と、投与早期に発症していた。また、治療関連の有害事象により、3人で治療が中止された(2人が肺炎、1人がALT上昇)。