三沢市立三沢病院院長の坂田優氏

 今年の米国臨床腫瘍学会の膵癌胃癌大腸癌の分野では、膵癌で期待できる話がありました。一方、胃癌・大腸癌では、大規模臨床試験の発表はありましたが、残念ながらネガティブな結果がほとんどでした。

 膵癌では、特にフランスCentre Alexis VautrinのThierry Conroy氏が発表したフェーズ3試験であるProdige 4-ACCORD 11/0402試験の結果が驚きでした。この試験は、転移性膵腺癌を対象にファーストライン治療として標準療法であるゲムシタビンを投与する群とFOLFIRINOXレジメンを投与する群を比較したものです。

 FOLFIRINOXは、2週間を1サイクルとして、オキサリプラチン85mg/m2、ロイコボリン400mg/m2、イリノテカン180mg/m2、5-FU 400mg/m2のボーラス投与、5-FU 2400mg/m2の46時間持続点滴を行うレジメンでした。ゲムシタビンは1000mg/m2を最初の8週のうち7週は毎週投与し、その後は4週のうち3週を毎週投与する方法で投与されました。主要評価項目は全生存期間(OS)でした。FOLFIRINOX群、ゲムシタビン群にそれぞれ171例が割り付けられました。

 本試験は中間解析でFOLFIRINOX群の有効性が確認されたため、登録中止になりました。OS中央値はFOLFIRINOX群が11.1カ月(95%信頼区間:9-13.1)、ゲムシタビン群は6.8カ月(95%信頼区間:5.5-7.6)となり、FOLFIRINOX群において大幅な生存期間の延長が見られました。

 ゲムシタビン単独投与に対してこれだけ生存期間が大きく上回る結果が得られた試験は初めてです。FOLFIRINOXの副作用に耐えられるような患者に対しては、今後の標準療法としてもよいと考えられる成績でした。

詳細はこちら(PDFウインドウで開きます)