シスプラチンベースの化学療法が適用できない進行性尿路上皮癌患者に対し、カルボプラチンベースの併用化学療法はベネフィットをもたらし、カルボプラチンとの併用でゲムシタビンまたはメトトレキサートとビンブラスチンを投与した場合、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、全奏効率に差はみられなかったことがフェーズ3試験の結果から示された。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、オーストリアKaiser Franz Josef Spital and ACR-ITR VIEnnaのM. De Santis氏が発表した。

 進行性尿路上皮癌患者の約50%は、腎機能障害、全身状態(PS)、共存症のためシスプラチンベースの標準化学療法が適用できない。

 Santis氏らはこのような患者を対象として、2つの化学療法のレジメンを比較する無作為化フェーズ2/3試験(EORTC study 30986)を行った。

 GCレジメンでは、ゲムシタビン(G)1000mg/m2をday1、day8に、カルボプラチン(C)は糸球体濾過値(GFR)に25を加えた値に4.5をかけた用量(mg)をday1に静脈内投与し、3週毎に2サイクル以上行うこととした。

 もう一方のM-CAVIレジメンでは、メトトレキサート(M)は30mg/m2をday1、day15、day22に、カルボプラチン(CA)はGFRに25を加えた値に4.5をかけた用量(mg)をday1に、ビンブラスチン(VI)は3mg/m2をday1、day15、day22に静脈内投与し、4週毎に2サイクル以上行うこととした。

 フェーズ2試験には178人の患者が参加した。全奏効率はGC群42%、M-CAVI群30%となり、死亡、出血を伴うグレード4の血小板減少症、グレード3または4の腎毒性などの重度の急性毒性が発現したのは、GC群13.6%、M-CAVI群23%であった。

 今回報告されたフェーズ3試験には、PS 2や腎機能障害(30mL/分<GFR<60mL/分)のためシスプラチンベースの化学療法が適用できない尿路上皮癌患者238人が、2001〜2008年の間に12カ国、29施設から登録された。主要評価項目はOS、副次的評価項目はPFSと副作用であった。

 GC群、M-CAVI群ともに119人ずつが割付けられ、年齢中央値はGC群70歳、M-CAVI群72歳で、男性の割合は75.6%と80.7%であった。PS 2 の患者の割合はGC群44.5%、M-CAVI群45.4%であった。

 追跡期間の中央値は4.5年、最大値は7.8年だった。治療サイクル数の中央値はGC群5(0〜10)、M-CAVI群4(0〜23)で、6サイクルを超える治療を受けた患者はGC群10.9%、M-CAVI群8.4%であった。

 OSの中央値はGC群9.3カ月、M-CAVI群8.1カ月、ハザード比は0.94で、両群間に有意差は認められなかった。(p=0.64)。

 PFSの中央値はGC群5.8カ月、M-CAVI群4.2カ月、ハザード比は1.04で、こちらも両群間に有意差は認められなかった(p=0.78)。

 両レジメンともに活性が認められた。完全奏効(CR)と部分奏効(PR)の割合は、GC群41.2%、M-CAVI群30.3%で有意差は認められなかったが(p=0.08)、確定された奏効の割合は、GC群36.1%、M-CAVI群21.0%で、GC群で有意に良好であった(p=0.01)。

 重度の急性毒性は、GC群9.3%、M-CAVI群21.2%に発現した。毒性による死亡はGC群2人、M-CAVI群4人であった。

 頻度が高かったグレード3または4の毒性は、白血球減少症がGC群44.9%、M-CAVI群46.6%、好中球減少症がGC群52.5%、M-CAVI群63.5%、有熱性の好中球減少症がGC群4.2%、M-CAVI群14.4%、血小板減少症がGC群48.3%、M-CAVI群19.4%、感染症がGC群11.8%、M-CAVI群12.7%であった。