プラチナ系抗癌剤による一次治療が無効となった小細胞肺癌で、新規プラチナ系抗癌剤であるpicoplatinは早期再発や難治性の患者で生存期間を改善し、有効であることが、フェーズ3試験(SPEAR)で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、ルーマニアProf. Dr. Ion Chiricuta Institute of OncologyのTudor E. Ciuleanu氏らが発表した。

 Picoplatinは、プラチナ系抗癌剤抵抗性を克服するためにデザインされた薬剤で、前臨床試験でその効果は確認されており、小細胞肺癌のセカンドライン治療として検討した2つのフェーズ2試験で生存改善が示された。

 フェーズ3試験は、小細胞肺癌で、プラチナ系抗癌剤(シスプラチン、カルボプラチン)による治療を受け、難治性あるいは治療6カ月以内に増悪した患者を対象に、picoplatin+支持療法(BSC)とBSC単独を比較した。picoplatin+BSCの群(picoplatin群)にはpicoplatinを3週置きに150mg/m2静注した。401人が登録され、picoplatin群とBSC群に2:1に割り付けた。

 この結果、主要評価項目である生存期間中央値(MST)は、picoplatin群が20.57週(95%信頼区間 19.29-24.71)、BSC群が19.71週(同 15.86-24.43)、ハザード比は0.817、p値は0.0895で、有意差はなかった。

 しかし試験の後、化学療法を受けなかった患者(273人)に限ると、MSTはpicoplatin群が18.29週(同 15.85-20.29)、BSC群が14.43週(同 11.14-19.71)、ハザード比は0.73、p値は0.0345となった。

 さらに難治性あるいは45日以内に再発した患者では生存が顕著に改善し、MSTはpicoplatin群が21.29週(同 19.57-25.14)、BSC群が18.43週(同 14.43-22.29)、ハザード比は0.717、p値は0.0173だった。

 無増悪生存期間(PFS)はpicoplatin群が9週、BSC群が6.57週で、ハザード比は0.783、p値は0.0281。増悪までの期間(TTP)はそれぞれ11.29週、6.71週で、ハザード比は0.61、p値は0.0002と有意な差が認められた。

 picoplatin群におけるグレード3/4の有害事象は、グレード3の血小板減少が22%、グレード4が21%、貧血がグレード3は23%、グレード4が6%、好中球減少がそれぞれ14%、5%で、発熱性好中球減少は2人で見られた。吐き気や嘔吐は軽度で管理可能であった。

 またpicoplatinに特徴的な有害事象として、末梢性神経障害が全グレードで10人、グレード3が2人、クレアチニンクリアランス低下が全グレードで12人に見られたが、グレード3以上はいなかった。なおpicoplatinによる関連死はなかった。

 試験の結果から、全生存期間には有意差が認められなかったが、これは後治療を受けた患者と受けなかった患者が存在したことが影響した可能性があるとした。ただし難治性の患者などでは有意に生存が改善したため、「picoplatinは特定の小細胞肺癌患者のセカンドライン治療として効果的である」とした。