ハイリスクの筋層浸潤性膀胱癌に対し、パクリタキセルゲムシタビンシスプラチン(PGC)の3剤併用による術後補助化学療法は、全生存率(OS)などの転帰を有意に改善し、忍容性も良好であることがフェーズ3試験の結果から示された。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、スペインHospital Universitario Virgen del RocioのL. Paz-Ares氏が発表した。

 浸潤性膀胱癌の標準治療は根治的膀胱切除術であるが、再発により術後3年以内に約半数の患者が死亡している。初回の手術時に微小転移が存在するためと考えられ、シスプラチンを中心とする術後補助化学療法の役割が過去30年にわたり検討されてきた。

 Paz-Ares氏らのグループは、PGCの3剤併用による術後補助化学療法について、フェーズ1/2試験で奏効率が77.6%、完全奏効(CR)が27.6%であったことを2000年に報告している。

 今回Paz-Ares氏らは、この3剤併用について、フェーズ3のSpanish Oncology Genitourinary Group(SOGUG)99/01試験で検討した。

 2000年7月から2007年7月までに、ハイリスクの筋層浸潤性膀胱癌で膀胱切除術後であり、pT3〜4、pN+、PS0または1、クレアチニンクリアランス値50mL/分などの基準を満たした患者142人が登録された。

 患者はPGCを4サイクル行う群68人(年齢中央値63歳)と経過観察を行う群74人(同62.5歳)に無作為に割り付けられた。膀胱切除術からの期間はPGC群47日、経過観察群48.5日であった。pT3-4N0の割合はPGC群47%、経過観察群40.5%、TpN+の割合はPGC群52.5%、経過観察群59%であった。

 PGC群では、パクリタキセル80mg/m2をday1とday8に、ゲムシタビン1000mg/m2をday1とday8に、シスプラチン70mg/m2をday1に、21日ごとに投与した。

 試験の主要評価項目はOS、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、毒性などであった。

 PGC群の患者の51人(81%)が予定した4サイクルの治療を完了した。追跡期間の中央値は全患者で29.8カ月、生存者では51カ月となった。死亡は69人(49%)で、PGC群24人(36%)、経過観察群45人(61%)であった。進行を認めたのは76人(54%)で、PGC群30人(44%)、経過観察群54人(73%)であった。

 OSはPGC群で有意に改善した。ハザード比は0.44、p<0.0009であった。多変量解析ではハザード比0.378、p<0.0004となった。

 PFSはハザード比0.38、p<0.0001、TTPはハザード比0.36、p<0.0001であった。

 グレード3または4の有害事象でPGC群に多く観察されたのは、好中球減少症(42%)、血小板減少症(15%)、有熱性の好中球減少症(9.5%)などで、1人が敗血症のため死亡した。

 再発はPGC群30人、経過観察群54人にみられた。再発に対しさらに化学療法を行ったのはPGC群16人(53%)、経過観察群38人(70%)で、このうち白金系抗癌剤を使用したのはPGC群13人(43%)、経過観察群33人(61%)であった。