進行胃癌患者を対象に、ファーストラインとして、カペシタビン(または静注5FU)とシスプラチンに加えてベバシズマブを投与しても、統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長は見られないことが明らかとなった。フェーズ3試験AVAGASTの結果示されたもの。

 カプランマイヤー曲線では、カペシタビン(または静注5FU)+シスプラチン+ベバシズマブ群(XP+ベバシズマブ群)はベバシズマブの代わりにプラセボを投与する群(XP+プラセボ群)の常に上にあったが、差は有意ではなかった。ただし、無増悪生存期間(PFS)は統計学的に有意にXP+BV群の方が長かった。

 6月4日から8日にシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、韓国Asan Medical CenterのYoon-Koo Kang氏によって発表された。

 AVAGAST試験は、2007年9月から2008年12月まで、774人の進行胃癌患者が17カ国93施設で登録された。XP+プラセボ群には387人、XP+ベバシズマブ群には387人が割り付けられた。

 試験の結果、OS中央値はXP+ベバシズマブ群が12.1カ月、XP+プラセボ群が10.1カ月で、ハザード比は0.87(95%信頼区間 0.73-1.03、p=0.1002)と、統計学的に有意ではなかった。一方PFS中央値はXP+ベバシズマブ群が6.7カ月、XP+プラセボ群が5.3カ月で、ハザード比は0.80(同 0.68-0.93、 p=0.0037)となり統計学的に有意な延長効果が確認された。奏効率はXP+ベバシズマブ群が46.1%、XP+プラセボ群が37%だった。

 また、OS中央値のハザード比は地域により差が見られた。

 OS中央値を地域別にみると、アジアはXP+ベバシズマブ群が13.9カ月、XP+プラセボ群が12.1カ月でハザード比は0.97(95%信頼区間 0.75-1.25)、欧州はXP+ベバシズマブ群が11.1カ月、XP+プラセボ群が8.6カ月でハザード比は0.85(同 0.63-1.14)、パンアメリカはXP+ベバシズマブ群が11.5カ月、XP+プラセボ群が6.8カ月でハザード比は0.85(同 0.43-0.94)だった。

 セカンドライン治療を受けていたのは、アジアで66%、欧州で31%、パンアメリカで21%だった。


【訂正】6月11日に以下の訂正をしました。
・「また、試験結果は地域により差が見られ、ブラジルを中心としたパンアメリカ、次いで欧州では良く、アジアで最も悪かった」を「また、OS中央値のハザード比は地域により差が見られた」に修正しました。
・「セカンドライン以降の治療が浸透している日本を含めたアジアでは、OSで差がつかなかったと考えられる」を削除しました。