イマチニブに抵抗性または不耐容の慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)患者に対するセカンドライン治療薬としてのボスチニブのフェーズ1/2臨床試験の結果、その優れた効果と安全性が明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)で、米University of Texas M. D. Anderson Cancer CenterのJ. E. Cortes氏が発表した。

 ボスチニブ(SKI-606)は、SrcとAblを標的とする強力なマルチキナーゼ阻害作用のある経口分子標的薬。一方、類似のキナーゼであるPDGFRとc-kitはほとんど阻害しないため、副作用が少ないことが期待されている。

 研究グループはまず、イマチニブ抵抗性の慢性期CML患者のみを対象とした用量設定試験でボスチニブの用量を500mg/日に設定。フェーズ2試験では、イマチニブに抵抗性または不耐容の慢性期CML患者を対象にボスチニブを1日1回経口投与した。対象者の内訳は抵抗性患者202人、不耐容患者92人の計294人で、イマチニブによる治療期間の中央値は2.3年(0-9.4年)だった。この試験でのボスチニブによる治療期間の中央値は13.7カ月(0.2-46.8カ月)で、追跡期間の中央値は23.8カ月(0.3-51.0カ月)だった。

 ベースラインで寛解が得られていた患者を除外したBest Responseでの評価では、血液学的完全寛解(CHR)がイマチニブ抵抗性患者の88%、不耐容患者の97%で得られた。細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)は抵抗性患者の46%、不耐容患者の59%で得られ、分子遺伝学的完全寛解(CMR)に達した患者はそれぞれ30%、40%だった。

 CCyRが得られるまでの期間の中央値は12.3カ月、細胞遺伝学的寛解(MCyR)については6.3カ月、CHRについては0.8カ月だった。

 また、24カ月時点での無増悪生存率は、抵抗性患者で77%、不耐容患者で86%だった。24カ月時点での全生存率は抵抗性患者で92%、不耐容患者で99%だった。

 遺伝子検査を行った99人のうち43人(45%)がBcr-Abl遺伝子に突然変異を有しており、合計で19タイプの変異が見つかった。変異のある患者のCHRは86%、MCyRは72%であり、変異のない患者のCHRは93%、MCyRは58%だった。突然変異のタイプ別に奏効率をみると、T315I変異では奏効例がなかったが、それ以外の様々な変異の多くでは効果が認められた。

 グレード3/4の血液学的有害事象は、血小板減少が24%、好中球減少が16%、貧血が12%と比較的低率だった。それ以外のグレード3/4の副作用は、下痢(9%)、皮疹(9%)だったが、消化器症状は治療継続中に軽減するものが多かった。

 以上の結果からCortes氏は、ボスチニブはイマチニブ抵抗性または不耐容の慢性期CML患者に対するセカンドライン治療薬として優れた効果があり、様々な変異のある患者に有効だったと結論。副作用が少なく軽度であったことも特筆されるとした。