新たに診断された慢性期の慢性骨髄性白血病(CML-CP)に、ダサチニブイマチニブより完全寛解率が高く、忍容性も認められることがフェーズ3のDASISION試験で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO) 第46回年次総会で、University of Texas M. D. Anderson Cancer CenterのHagop Kantarjian氏らが発表した。

 ダサチニブは、BCR-ABLやSRCファミリー、c-KIT、EPHA2受容体、PDGFβ受容体のチロシンキナーゼに対する阻害剤。各チロシンキナーゼのドメインにあるATP結合部位で、ATPと競合することでチロシンキナーゼの活性化を阻害して効果を発揮する。国内では2009年3月16日にダサチニブ(商品名:スプリセル)が、慢性期、移行期、急性期のイマチニブ抵抗性CMLと再発または難治性のフィラデルフィア染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病を適応に発売された。

 フェーズ3試験は、Ph陽性のCML-CP 患者519人を、ダサチニブ100mg/日を投与する群とイマチニブ400mg/日を投与する群に無作為に割り付けた。主要評価項目は12カ月の確定した細胞遺伝学的完全寛解(cCCyR)率。cCCyRは連続した2回の効果判定によって決められた。

 ダサチニブ群の年齢中央値は46歳、イマチニブ群は48歳、Hasford疾患リスクは低リスクが両群とも33%、中等度リスクはそれぞれ48%、47%、高リスクは両群とも19%だった。フォローアップ期間は12カ月以上、治療期間の中央値は両群とも14カ月。

 12カ月cCCyR率はダサチニブ群が77%、イマチニブ群が66%(p=0.0067)、12カ月CCyR率はそれぞれ83%、72%(p=0.0011)と、ダサチニブ群が有意に優れていた。なお3カ月のCCyR率はそれぞれ54%、31%、6カ月CCyR率は73%、59%、9カ月CCyR率は78%、67%で、どの時点でもダサチニブ群のほうがCCyR率は高かった。

 12カ月の分子遺伝学的寛解(MMR)率はダサチニブ群が46%、イマチニブ群が28%(p<0.0001)。3カ月のMMR率はそれぞれ8%、0.4%、6カ月では27%、8%、9カ月は39%、18%で、ダサチニブ群のMMR率のほうが高かった。またMMRまでの期間中央値はダサチニブ群が6.3カ月、イマチニブ群が9.2カ月で、ダサチニブ群では早期にMMRが得られた。

 Hasford疾患リスク別では、低リスクのMMR率はダサチニブ群が56%、イマチニブ群が36%、中等度リスクではそれぞれ45%、28%、高リスクは31%、16%。

 移行期(AP)や急性期(BC)への移行率はダサチニブ群が1.9%であるのに対し、イマチニブ群が3.5%だった。なお1年生存率はそれぞれ97.2%、98.8%だった。

 有害事象は、グレード3/4の好中球減少は21%、20%で、両群でほぼ同じだが、血小板減少はダサチニブで多く、それぞれ19%、10%、貧血はダサチニブ群が10%、イマチニブ群が7%だった。非血液毒性では、悪心や嘔吐、筋痛、皮疹、下痢、倦怠感などが認められたが、グレード3/4は少なかった。また胸水貯留がダサチニブ群で10%に認められたが、グレード3/4はなかった。


[訂正]6月18日に下記の訂正をしました。
最後の文章中「また胸水貯留がダサチニブ群で10人に」を「また胸水貯留がダサチニブ群で10%に」に訂正しました。