多発性骨髄腫患者に自己幹細胞移植(ASCT)施行後100〜110日にレナリドミドの投与を開始すると、プラセボと比べて無増悪期間(TTP)は有意に延長し、血液毒性は発生するものの重度ではなく、有害事象のために治療中止となった患者は13%であったことがフェーズ3試験の結果から示された。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、米Roswell Park Cancer InstituteのPhilip McCarthy氏が発表した。

 McCarthy氏らは、レナリドミドによる維持療法でASCT施行後の無増悪期間(TTP)を延長することができるか否かを検討するフェーズ3試験(CALGB100104)を実施した。

 2005年4月から2009年7月までに、多発性骨髄腫のステージI〜III、導入化学療法を2サイクル以上受けて安定以上の効果が得られており、かつ治療開始から1年以内などの条件を満たした患者568人が46施設から登録された。

 ASCTのレジメンはメルファラン200mg/m2とした。安定以上の効果が得られた患者について、診断時のβ-2マイクログロブリン(β-2M)値、前治療(サリドマイドまたはレナリドミド)で層別化した後、ASCT施行後100〜110日の時点で、二重盲検でレナリドミドまたはプラセボを投与する群に割り付け、進行まで投与を継続した。

 無作為化の対象とした418人をレナリドミド群210人、プラセボ群208人に割り付けた。

 維持療法としてのレナリドミドの投与開始量は10mg/日とし、3カ月後に15mgに増量した。グレード3以上の毒性を認めた場合には投与を中止し、グレード2以下となったら5mgまでの段階的な投与量で再開し、忍容可能であれば5、10、15mg/日のいずれかとした。

 ASCTからの追跡期間の中央値12カ月の時点で、レナリドミド群のプラセボ群に対するTTPのハザード比は0.42となり、疾患の進行のリスクはレナリドミド群で58%低下した。β-2M、前治療の薬剤で層別化したいずれの検討でも、TTPはレナリドミド群がプラセボ群に比べて良好であった。

 進行または死亡のイベントが発生したのは、レナリドミド群では210人中29人、プラセボ群では208人中58人であった。本試験では、プラセボ群からレナリドミド群へのクロスオーバーを許可しており、77人がレナリドミド群に移行している。ASCTから12カ月の時点で、全生存率(OS)には差がみられていない。

 安全性を評価したレナリドミド群194人、プラセボ群174人において、グレード3〜5の血小板減少症、好中球減少症、貧血は、レナリドミド群で23人(12%)、83人(42%)、10人(6%)、プラセボ群で6人(3%)、13人(7%)、1人(1%)に発現し、いずれもレナリドミド群で有意に多かった。有害事象による治療中止は、レナリドミド群28人(13%)、プラセボ群4人(2%)であった。