UGT2B15*2エストロゲン受容体(ERS)1の遺伝子多型は、補助化学療法としてタモキシフェンを投与した閉経後の早期乳癌患者において、無病生存率(DFS)に影響する可能性がオランダ人コホートの検討で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、オランダのLeiden University Medical CenterのVincent O. Dezentje氏が発表した。

 Dezentje氏らは、TEAM(tamoxifen exemestane adjuvant multinational)試験に参加した閉経後の早期乳癌でエストロゲン受容体陽性のオランダ人患者747人について、タモキシフェンの代謝経路と薬理学的経路に関与する酵素をエンコードした12の候補遺伝子において、29の生殖細胞遺伝子の変異型を特定した。

 これまでのレトロスペクティブな研究では、cytchrome P450(CYP)2D6(CYP2D6)遺伝子型とタモキシフェンの有効性との関係について、矛盾する結果が報告されている。

 TEAM試験では当初、5年間タモキシフェンを毎日投与する群と5年間エキセメスタンを毎日投与する群を比較する予定だったが、Intergroup Exemestan Study(IES試験)の結果を受け、タモキシフェン群は全て2.5年から3年の時点でエキセメスタン投与に切り替えられた。

 遺伝子の変異型はこのエキセメスタン投与への切り替えからのDFSに相関していた。

 今回遺伝子型を特定した患者の臨床的な特性は、TEAM試験に参加したオランダ人患者1379人全員と同様であった。追跡期間の中央値は2.5年、747人で63のイベントが発生している。
 
 過去に報告されたCYP2D6遺伝子型と、表現型、DFSに相関はみられなかった。

 CYP2C19*2も、DFSと有意な相関を示さなかった[Vt/Vt vs. Wt/Vt+Wt/Wt:ハザード比 2.75(0.95〜7.92)、p=0.061)]。

 一方、UGT2B15*2はDFSと相関した[Vt/Vt+Wt/Vt vs. Wt/Wt:ハザード比 0.57(0.33〜0.99)、p=0.044]。

 エストロゲン受容体-1(ESR1)のPvuII多型も、DFSと相関を示すことがわかった(gene-dose effect:ハザード比 1.66(1.12〜2.45)、p=0.012)。