Oncotype DXで算出した再発スコア(RS)と臨床病理学的な情報を組み合わせたRS-pathologic-clinical(RSPC)による再発リスク評価は、RS単独による評価よりも早期乳癌患者の予後を強力に予測し、RSでリスクが「中間」に分類された患者を減らし個別化医療の決定力を高める。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、英University of LondonのGong Tang氏が発表した。

 乳癌組織を検体として21種類の遺伝子の発現量をRT-PCRで測定し、RSを計算するOncotype DXは、早期乳癌でエストロゲン受容体(ER)陽性の患者に対し、再発リスクの評価と化学療法の効果予測に広く用いられている。腫瘍の大きさやグレード、患者の年齢などの病理学的因子や臨床因子をRSと組み合わせることで、より強力に予後を予測できると考えられる。

 Tang氏らは、リスク評価を行ううえでRSと臨床病理学的な因子を統合するツールが必要と考え、RSPCを開発し、RS単独による評価との比較を行った。

 対象は、National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)B-14試験と、Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination trial(ATAC)試験において、ER陽性でOncotype DXで測定が可能であった患者とした。B-14試験の対象はリンパ節転移がなくタモキシフェンによる治療を受けた患者、ATAC試験からの対象はリンパ節転移陽性または陰性、タモキシフェンまたはアナストロゾールによる治療を受けた患者だった。

 B-14試験から647人、ATAC試験から1088人の計1735人が本解析の対象となった。この対象において、B-14試験では102件、ATAC試験では137件、計239件の遠隔転移が発生している。

 RSPCによるリスク評価は、尤度比検定ではRS単独による評価と比べて有意に強力であった(p<0.001)。またこのリスク評価は、腫瘍の大きさ+グレード+年齢による評価と比べても強力であった(p<0.001)。

 リンパ節転移が陰性で、リスクが「中間」と分類された患者は、RSPCが17.8%、RSが26.7%だった。リスクが「高い」に分類された患者は、RSPCが18.4%、RSが19.1%、「低い」に分類された患者は、RSPCが63.8%、RSが54.2%であった。