未治療の転移性腎細胞癌を対象にスニチニブインターフェロン-α(IFN-α)を比較したフェーズ3試験の毒性に関するTWiSTの解析から、疲労や無力症など一定の毒性はスニチニブを投与した群で発現する頻度が高いものの、同群では無増悪生存期間(PFS)だけでなく、毒性を認める期間を調整したPFSも延長されていることがわかった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、米Memorial Sloan-Kettring Cancer CenterのSujanta Patil氏が発表した。

 未治療の転移性腎細胞癌患者を対象としたフェーズ3試験では、スニチニブはIFN-αと比べて無増悪生存期間(PFS)を11カ月対5カ月、奏効率で47%と12%で有意に改善した(p<0.001)。グレード3または4の毒性の割合は両群で比較的低かったものの、スニチニブ群で頻度が高かった。

 この試験には未治療の転移性腎細胞癌患者750人が参加し、患者はスニチニブ50mg/日を4週経口投与し、2週休薬する6週のサイクルで治療を繰り返す群と、IFN-α(最初の1週目は300万単位、2週目は600万単位、以後900万単位)を週に3回皮下注射する群に無作為に割り付けられた。

 Patil氏らは毒性を認めない期間および進行を認めない期間から両治療を比較し、このフェーズ3試験の患者の総合的なベネフィットを評価した。

 最も頻度が高かったグレード3または4の治療関連毒性、すなわち疲労感や高血圧、下痢、皮膚炎、悪心・嘔吐などを解析の対象とし、IFN-αで多く発現するグレード3以上のうつも対象に含めた。進行以降に発現した毒性は除外した。

 各患者について、生存期間の量と質を表し、毒性や再発を認めない期間を表す「toxicity-adjusted time without symptoms and toxicity(TWiST)」、進行を認める前でグレード3または4の一定の毒性を認める期間を表す「TOX」、再発後の期間を表す「REL」の3種の方法で健康状態を表した。

 グレード3または4の毒性はスニチニブ群で多く発現し、持続期間の中央値も同群で延長した。疲労感や無力症はスニチニブ群57人、IFN-α群44人に発現したが、これらの毒性を経験したスニチニブ群の患者では、進行を認めない期間の中央値がスニチニブ群480日間、IFN-α群156日間となり、スニチニブ群で延長していた。

 健康状態についての平均時間について、TWiSTはスニチニブ群334.9日、IFN-α群171.6日、TOXは18.6日と2.6日、RELは269.4日と364.9日であった。TWiSTとTOXはIFN-α群と比べてスニチニブ群で延長し、RELはIFN-α群で延長する結果となった。