閉経後乳癌患者において、手術後5年間のホルモン療法によって再発が抑制されることが報告されている。米国の乳癌患者およそ1400人を対象にした調査で、アロマターゼ阻害剤による術後補助療法はタモキシフェンよりも治療途中での中止が少ないことが明らかになった。また「75歳以上」、「1世帯の年収が1万5000ドル未満」で治療中止のリスクが高いことも示された。6月4日から8日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO) 第46回年次総会で、米国Medical College of WisconsinのJ. A. Charlson氏らが発表した。

 調査は、65歳以上の早期乳癌で、タモキシフェンあるいはアロマターゼ阻害剤による術後補助療法の中止率と治療中止の予測因子を明らかにするために行われた。対象は、2003年に最初の乳癌手術が施行され、術後1年以内にホルモン療法が開始されて、術後1年以内には再発がなかった患者。

 2005年から2008年に電話調査を行い、生活状況や健康、癌の治療法について尋ねた。治療中止は5年間の補助療法の間で、60日間以上ホルモン療法を受けていない場合と定義した。

 条件を満たした1402人の年齢中央値は72歳、白人が91%を占めた。最初にアロマターゼ阻害剤が処方された患者は55%、タモキシフェンは45%だった。また治療期間中にタモキシフェンのみの患者は27%、アロマターゼ阻害剤のみは52%、両方とも処方された患者は21%だった。

 325人(23%)が5年間の治療完了前に中止しており、治療1年目の中止が最も多かった。

 多変量解析で治療中止を予測する因子を求めた結果、年齢が「65〜69歳」に対し、「75〜79歳」の治療中止のハザード比は1.44、p値が0.03、「80〜89歳」ではハザード比は1.77、p値が0.003だった。また1世帯の年収が「1万5000ドル未満」に対する「1万5000ドル以上」のハザード比が0.61、p値は0.003であり、「75歳以上」と「1世帯の年収1万5000ドル未満」が早期の治療中止の予測因子であることが示された。

 さらに最終的な補助療法がタモキシフェンである場合に対し、アロマターゼ阻害剤ではハザードは0.78、p値が0.04となり、アロマターゼ阻害剤はタモキシフェンよりも治療中止のリスクは低いことが示された。