閉経前の過体重の乳癌患者では、body mass index(BMI)が内分泌療法に影響する可能性がレトロスペクティブな解析から示された。アロマターゼ阻害剤(AI)のアナストロゾール(ANA)を投与した場合に、正常体重の患者と比べて無病生存率(DFS)および全生存率(OS)が悪化した。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、オーストリアMedical University of ViennaのGeorg Pfeiler氏が発表した。

 タモキシフェンがエストロゲン受容体(ER)を標的とするのに対し、AIはアロマターゼを標的とし、間接的にERを標的としている。またBMIは、全身のaromatizationに関する代理のパラメータとなると考えられる。

 Pfeiler氏らは、LHRHアゴニストの投与を受けている閉経前の乳癌患者においてBMIがAIの有効性に影響すると仮定し、ステージI/IIのホルモン感受性の患者1803人を対象としたABCSG-12試験をレトロスペクティブに解析した。

 ABCSG-12試験では、LHRHアゴニストのゴセレリン(3.6mgを28日毎に皮下注射)との併用で、(1)ANA 10mg/日、(2)ANA+ゾレドロン酸(ZOL、4mgを6カ月毎に静脈注射)、(3)TAM 20mg/日、(4)TAM+ZOLの4群に患者を割付けている。

 今回の解析では、BMIは試験登録時の身長と体重のデータから計算し、WHOの定義を用いて正常体重(18.5〜24.9kg/m2)、過体重(25kg/m2以上)、低体重(18.5kg/m2未満)のいずれかに患者を分類した。

 1684人が解析対象となった。1111人(66%)が正常体重、573人(34%)が過体重であった。低体重は解析から除外した。TAM群は正常体重542人、過体重294人で、ANA群はそれぞれ569人と279人だった。

 BMIが予後に与える影響について、正常体重と過体重で比較すると、過体重の患者で予後不良となる傾向が示された。DFSのハザード比は1.24(p=0.153)、OSのハザード比は1.49(p=0.100)であった。

 TAM群でBMIが予後に与える影響をみると、正常体重と過体重で差はなく、DFSのハザード比は0.94(p=0.765)、OSのハザード比は0.83(p=0.659)であった。

 しかしANA群では、過体重の患者で有意に予後が不良となる結果が示された。DFSのハザード比は1.69(p=0.023)、OSのハザード比は2.14(p=0.012)であった。多変量Cox回帰モデルでは、DFSのハザード比は1.53(p=0.047)、OSのハザード比は1.93(p=0.039)となった。

 正常体重の患者では治療群による予後の差はみられなかった。過体重の患者でANAを投与した患者では、TAMを投与した患者と比べて予後が不良となる可能性が示された。