EML4-ALK融合遺伝子のある肺腺癌患者は、EML4-ALKがない患者に比べ、生存期間や増悪までの期間が長いことが、シスプラチンとペメトレキセドによる治療を受けた患者を対象にしたレトロスペクティブ解析で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催されている第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、イタリアUniversity of MessinaのG. Altavilla氏とG. Galletti氏らが発表した。

 対象は肺腺癌の96人、年齢中央値は64歳で、うち女性が38人。治療はシスプラチン75mg/m2とペメトレキセド500mg/m2、あるいはシスプラチンとゲムシタビン1250mg/m2を3週毎に投与されていた。

 ALK遺伝子はFISHで同定され、ALK遺伝子座の再構成がある場合は、EGFRとK-ras変異をDNAシークエンスで検出した。またALK再構成は免疫組織化学で確認した。

 その結果、EML4-ALK融合遺伝子は8人(8.3%)で認められ、年齢中央値は52歳、男性が6人で、全例が非喫煙もしくは軽度の喫煙者だった。一方、EML4-ALK融合遺伝子が認められなかった88人では、年齢中央値は64歳、女性が36人、喫煙者が67人だった。

 EML4-ALK融合遺伝子が陽性の8人は全例がシスプラチンとペメトレキセドによる治療を受けており、部分奏効(PR)は2人、病勢安定(SD)が4人、病勢進行(PD)が2人。増悪までの期間(TTP)中央値は9カ月、全生存期間(OS)中央値は17カ月だった。

 一方、陰性でシスプラチンとペメトレキセドによる治療を受けた32人では、PRは6人、SDが20人、PDが6人で、TTP中央値は6.2カ月、OS中央値は11カ月だった。

 これらの結果から、「少人数による検討だが、シスプラチンとペメトレキセドによる治療を受けたEML4-ALK陽性の患者では、陰性の患者に比べて予後が良好だった」とAltavilla氏は発表した。

 またEML4-ALK陽性の患者では全例でEGFRとK-rasの変異が見られなかった。「この特徴は治療において重要である」とAltavilla氏。EGFR変異があればEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の効果が高いが、EML4-ALK融合遺伝子がある場合は効果が期待できない。このためAltavilla氏は「EGFR変異がなく、非喫煙、腺癌、若年の場合はEML4-ALK融合遺伝子を調べる必要があるだろう」と発表した。