手術不能の脳転移を有する進行非小細胞肺癌に対し、ペメトレキセドとシスプラチンの併用は脳転移において約42%の奏効率があり、完全奏効も認められたことが多施設共同第2相試験(GFPC 07-01)で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、フランスUniversity Hospital MorvanのG. Robinet氏らが発表した。

 対象は、化学療法による治療歴がない、測定可能な無症候性脳転移を有する非小細胞肺癌で、シスプラチン75mg/m2とペメトレキセド500mg/m2を3週間毎に投与した。まず、2サイクル行った後、病勢安定(SD)以上が認められた患者では2サイクルを追加し、完全奏効(CR)あるいは部分奏効(PR)が認められた患者では、さらに2サイクル追加後、全脳照射を行った。一方、増悪が認められた場合は全脳照射 を行った。

 43人が登録され、このうち扁平上皮癌は3人、腺癌が36人、大細胞癌が4人だった。また多発性脳転移が36人、両側脳転移が25人、片側脳転移が18人だった。

 治療サイクル数の平均は3.84回、dose intensityの平均はシスプラチンが95.9%、ペメトレキセドが98.1%だった。2サイクル後に脳転移に増悪が認められたのは6人で、全例に全脳照射が行われた。4サイクル以上の治療が行われたのは28人で、このうち19人(67.9%)に全脳照射が行われた。

 主要評価項目である脳転移における奏効率は41.8%で、CRが1人、PRが17人だった。全体の奏効率は34.9%で、PRが15人、病勢コントロール率(CR+PR+SD)は72.1%だった。

 生存期間中央値は7.3カ月(95%信頼区間 5.8-9.5)、無増悪生存期間中央値は4カ月(同 2.7-6.1)、脳転移増悪までの期間中央値は5.7カ月(同 4-7.6)。全体の奏効率は脳転移のない患者を対象としたScagliottiらの報告(30.6%)と同等だが、生存期間は脳転移のない患者の10.3カ月に比べて短かった。

 主なグレード3/4の血液毒性は、好中球減少が10人(23.3%)、貧血が6人(14%)、グレード3の白血球減少が1人、グレード4の血小板減少と発熱性好中球減少が各1人。非血液毒性はグレード3の肺臓炎(pneumopathy)が2人、下痢が1人、聴力低下が1人、腎機能低下が1人だった。

 これらの結果から、「無症候性脳転移のある非小細胞肺癌の一次治療として、ペメトレキセドとシスプラチンの併用および全脳照射は、効果的で、忍容性に優れている」とRobinet氏は発表した。