多発性骨髄腫で大量化学療法と自己幹細胞移植(ASCT)を受けた患者において、レナリドミドによる維持療法はASCT施行後の無増悪生存期間(PFS)を延長し、疾患の進行のリスクを54%低下させ、忍容性も良好であることが、600人を超える規模のフェーズ3試験の中間解析から明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、フランスPurpan HospitalのMichel Attal氏が発表した。

 骨髄腫に対する標準治療として大量化学療法とASCTが行われる。しかし、最終的には患者の90%以上で再発することから、有効な維持療法が必要である。Attal氏らは以前にASCT施行後の維持療法としてサリドマイドの投与が残存病変を減少させることを報告しているが、神経障害が問題となった。

 そこで今回のフェーズ3試験(IFM2005-02)では、サリドマイド誘導体で神経毒性がない経口剤のレナリドミドを用いた地固め療法と維持療法が検討された。主要評価項目はPFSであった。

 対象は、無作為化前の6カ月以内にファーストライン治療としてASCTを受け、その後進行していない骨髄腫患者。2006年7月から2008年8月までに614人(年齢中央値55歳)が登録された。

 地固め療法としてレナリドミド25mg/日を第1日から第21日まで、28日ごとに2カ月間投与した。患者はその後、維持療法として再発するまでレナリドミド10〜15mg/日を投与する群とプラセボを投与する群に307人ずつ割付けられた。

 導入化学療法は、VAD療法(ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン)がレナリドミド群46%、プラセボ群51%で、ボルデゾミブとデキサメタゾンの併用がレナリドミド群44%、プラセボ群44%で行われていた。

 両群ともASCTを1回受けた患者は79%、2回受けた患者は21%だった。ASCTから地固め療法の間隔の中央値は4カ月(3〜5カ月)、ASCTから維持療法の間隔の中央値は6カ月(5〜7カ月)であった。

 2009年12月に最初の中間解析が行われた。地固め療法前後の効果の比較では、完全寛解(CR)は地固め療法前は13%、地固め療法後は19%に改善した(p<0.0001)。非常に良い部分寛解(VGPR)は58%から68%に改善した(p<0.0001)。

さらに無作為化から3年のPFSの有意な改善もみられ、レナリドミド群では68%、プラセボ群では34%だった(ハザード比0.46)。このような効果はASCT施行後の完全寛解の有無にかかわらず認められた。

 VGPR、β2-ミクログロブリンの値(3mg/L)、染色体のdel 13の有無で分けた各サブグループにおけるPFSの検討でも、プラセボに対するレナリドミドの優位性は同様であった。

 維持療法中の有害事象では、深部静脈血栓症や神経障害の発現は両群に差がなかった。グレード3または4の有害事象では、レナリドミド群で好中球減少症が31%と高かったが、有熱性の好中球減少症の発現は0.1%であった。重篤な有害事象による治療中止は、レナリドミド群6%、プラセボ群4%で差はみられなかった。

 無作為化からの3年全生存率(OS)はレナリドミド群88%、プラセボ群80%で、ハザード比は0.88だった。

 Attal氏は「OSに与えるレナリドミドの影響の評価には長期的なフォローアップが必要」とし、最終的な解析は2010年8月に行われる予定であると話した。