HER2陰性の転移性乳癌にベバシズマブとパクリタキセルを週1回投与することで、無増悪生存期間(PFS)が延長し、忍容性も認められることが日本のフェーズ2試験で明らかになった。6月4日から8日までシカゴで開催された第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO2010)で、国立病院機構大阪医療センターの増田慎三氏が発表した。

 海外では3つのフェーズ3試験(E2100、AVADO、RIBBON-1)で、ベバシズマブとタキサン系抗癌剤などの化学療法との併用が、HER2陰性で局所進行または転移性乳癌の無増悪生存期間と奏効率を改善したと報告されている。国内でも中外製薬が2009年10月、化学療法との併用でベバシズマブの乳癌に対する適応拡大申請を行っている。

 日本のフェーズ2試験はE2100試験と同じレジメンで行われた。4週置きに、ベバシズマブ10mg/kgを第1日、15日に投与し、パクリタキセル90mg/m2を第1日、8日、15日に投与した。

 2007年4月から2008年7月に120人が登録された。年齢中央値は55歳、65歳以上が18%で、ECOG PS 0が90%と全身状態のよい患者が大半を占めた。また術前・術後補助療法を受けたことのある患者が55%だった。

 2009年6月の時点で、39人(33%)が治療を継続しており、治療期間の中央値は10.6カ月。治療を中止した81人では、増悪による中止が44%、有害事象による中止が15%だった。

 PFS中央値は12.9カ月(95%信頼区間 11.1-18.2)で、E2100試験のPFS中央値11.3カ月とほぼ近い結果となった。また治療成功期間の中央値は11.1カ月(同 9.3-13.6)だった。

 評価できた117人における完全奏効は4.3%、部分奏効が69.2%で、奏効率は73.5%(95%信頼区間 64.5-81.2)。24週間以上の病勢安定は11%で、クリニカルベネフィット率は85%だった。2009年8月までに24人(21%)が死亡。OS中央値には達していないが、1年生存率は88.9%。E2100試験の奏効率は50%、1年生存率は81%であり、日本のフェーズ2試験のほうが良好な結果だった。

 グレード3/4の有害事象は101人(84%)で認められた。ベバシズマブによる新たな有害事象はなかったが、グレード3/4の末梢神経障害が26%と、E2100試験に比べて多かった。そのほか主な有害事象は、グレード3/4の高血圧は17%、血液毒性ではグレード3/4の好中球減少が43%、白血球減少が27%。治療関連死はなかった。